街の景観に息を呑む!ヴァル・ディ・ノートの代表的な街、ラグーサ(Ragusa)へ|シチリア⑥

シチリア東部の山間にある小規模なヴァル・ディ・ノートの街々の中でも、特に人気が高く観光客が多い街がこのラグーサ(Ragusa)だろう。

チョコレートの街モディカから山間の道を30分ほど、起伏の激しい渓谷の山あいに突如街が現れる・・・

それがラグーサだ。

シチリアの他の田舎町を訪れても感じたことだが、よくもまあこんなにアクセスの悪い場所に街を造ったもんだ。

かつて近隣からの侵略に脅かされていたからこうなったのだろう。

現代では平地の海近くなど、ロジスティクスが整い、アクセスのしやすい場所に街が作られるのが普通だと思うが、シチリアでは未だにこのような山中の街が残っており、そこに今でも普通に人々が生活しているところが面白い。

ラグーサには中世から残る狭い路地をそのまま残すイブラ地区と、網の目に道路を張り巡らせた、都市計画的には近代的な(でも古いが)高台のスペリオーレ地区がある。

ラグーサの最も知られた見どころは、スペリオーレ地区から見たイブラ地区の風景。

スペリオーレ地区から見たラグーサ・イブラの風景

静けさの中に圧倒的な存在感を放つラグーサ・イブラのステキな町並み。

ラグーサ観光の中心もイブラ地区


というわけでイブラとスペリオーレの中間にある公共駐車場へ車を停め、イブラ地区のドゥオモ広場へ向かって歩く。

急坂・石畳みのラグーサ・イブラ地区でストローラー(ベビーカー)を使うのは不可能だ。なのでマイサン3才児も歩かせる。


ドゥオーモが見えてきた。
静けさ漂う古い町並みに姿を表すドゥオーモのドーム。絵になるよね。

そのうち徒歩に飽きてきたマイサンがグズりはじめるが、「頑張って歩けば、大好きなトレインに乗れる(かも)よ」と励まして、無理矢理歩かす・・・

イブラ地区には観光客向けのトロッコ列車風観光車両があるのだ。

マイサン激怒するに違いないので、運行してなかったらどうしようかと思ったが・・・

あった!



係のおっちゃん曰く「人が集まったら出発する」だそうだ。厳密にはおっちゃんの話すイタリア語はわからないので、そんなニュアンスだと思っただけだが。

ラグーサのトロッコ観光車両


ラグーサに長居するので無ければ、このトロッコで観光してしまうのが便利だ。

多分ラグーサ・イブラを徒歩で回ったら、迷路のような小道で間違いなく迷子になってしまうと思うが、トロッコはイブラ地区内の見どころを30分位かけてぐるりと周った後、ドゥオーモ広場へ戻ってきてくれる。

トロッコから見るスペリオーレ地区。



こちらもなかなか壮観な眺めだ。

ところで食に関しては・・・

ラグーサは山の街だから海の幸は出ない


ということなんだと思う。たぶん。

トロッコ観光列車でドゥオーモ広場に戻ってきた我々は、ちょうど昼時だったので昼メシに。

ラグーサ・イブラには有名なミシュランレストランがあるらしく、一応場所をチェックしてきたのだったが、午前中にモディカでチョコレートとカンノーロを食べてあまり空腹ではなかったため、広場近くのカフェテリアで簡単に昼食をとることにした。

Biancomangiareというカフェだ。
ちょうどドゥオーモ&広場を見渡せるナイスな場所に外席がある。


なんということのない作り置きカフェ的メニューを注文。


シチリアのストリートフード、アランチーニ。シチリア版おにぎり、とも言えるかもしれない。中にはサフランで黄色く色付けしたご飯にボロネーズソースなどが入っている。

ここで出ているものは丸ではなく細長いタイプのものだった。カフェで出すアランチーニは基本的に作り置きがデフォルトのようだ。


イタリアの至宝、ピッツァ。こんな作り置きでもソースにこだわってるのか美味しい。
見た目はアメリカ人が好みそうな「スーパーのピザ生地にプレーゴ・ソース」だが、味はレベルが違った。


ポークハムのサラダ。私が住むドバイではポークハムは高級品だ。豚肉ご法度なイスラム教国ではなかなか手に入らないから。

ラグーサは地域的に山あいの町だからかレタスがおいしい。
シチリアでは、チーズとか野菜とか普通のものがとても美味しいんだよね。(日本もそうだけど)

ここで意味もなく絶叫するマイサン(3才児)に気づいた店のご主人が、アイスクリームをくれる・・・


シチリアでは、おっちゃん達がやたら子供にフレンドリー。だからクッキーとかアメとかチョコレートとかアイスクリームとか、そんなんばっかりもらってんだわ。



ラグーサ観光の駐車場


ラグーサにはイブラ地区とスペリオール地区の間に大きな公共駐車場(無料)がある。
なので、そうとう混む時期に行かない限りは車の駐車は問題ないんじゃないでしょうか。


駐車場からドゥオーモ広場へは歩いて行けるし、イブラ地区が見渡せるスペリオーレ側の坂の上、Corso Mazzini(マッツィーニ通り)へもすぐ登れます。

というわけでヴァルディノートのハイライト、ラグーサを是非訪れてみて下さい。

次は陶器・磁器と階段(スカラ)で有名なカルタジローネへ。

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③シチリア島が凝縮されたグルメの都:シラクーサの食&おすすめレストラン
④ヴァル・ディ・ノートの小さな街、ノート(Noto)におやつを食べに行く
⑤ヴァル・ディ・ノートの坂とチョコレートの街、モディカ(Modica)
⑥街の景観に息を呑む!ヴァル・ディ・ノートの代表的な街、ラグーサ(Ragusa)へ
⑦ヴァル・ディ・ノートの陶器細工と階段(スカーラ)の街、カルタジローネ
⑧シチリア島のド真ん中。標高948メートルにある平和な山の街、エンナ
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