昔といってもたったの10年ほど前のことです。
最近なんとなくGoogle Earthを眺めていたところ、年を遡って同じエリアの航空写真を表示できる機能があることを発見。
ドバイのように急速に発展し、過去15年で多くのメガプロジェクトを完成させたドバイにとっては、さぞかしスゴイことになっているのでは・・・
というわけで調べてみたのが今回の企画。
まずはドバイの現在の中心地
ダウンタウン・ドバイ。
今をときめく
ダウンタウン・ドバイはこの様な感じですが、
現在のGoogle Earthの航空写真はこちら。
2004年時点では、こうでした。
2004年時点では、多くのエリアでは工事の地ならしが終わったところ、という状況でしょうか。ドバイモールなど跡形もありませんね。
"Burj Residences"プロジェクトは最も早くに工事が始まった様子で、基礎工事が終わりすでに低層階が建ち始めています。
よくよく見ると、世界一高いタワーであるブルジュ・ハリファの基礎が形になっているのわかります?
このブルジュ・ハリファですが、この時点ではブルジュ・ドバイと呼ばれていました。ブルジュ=塔という意味ですが、文字通りドバイの繁栄を象徴する「ドバイの塔」となる予定だったのです。
ですがドバイショックが起き・・・
アブダビからお金を借りる代わりに塔の名前を譲った、というのが一般的な噂です。(「カリファ」はアブダビの王様の名前。公式にそういう話があったわけではありません。)
世界地図を模した埋立地、ザ・ワールド
こちらはドバイならでは、桁外れのオフショア・プロジェクト、ザ・ワールド(The World)。
こんな奇抜なプロジェクトは、良くも悪くもドバイかイケイケ時の中国くらいでしか実行できないんじゃないでしょうか。こういうプロジェクトはエフィシェンシー(efficiency)さが最重要で遊び心の無い(さらに国家予算に余裕の無い)日本ではありえませんね。
現在、ザ・ワールドには今ひとつ垢抜けないビーチクラブがオープンしており、予約すれば誰でもアクセスできます。
ただし周りの島々は開発が進まず手付かずか、工事の真っ最中かのどちらかなので、リゾート感はあまり無く、一大工事現場とビーチクラブの微妙なハーモニーを奏でています。
私、すでにザ・ワールドには2014年、2015年と2回行ってますので、これについてはまたブログに書きたいと思ってます。
一応、埋め立てはすでに終わっている現在のザ・ワールド。
そして2005年の時点では・・・
多くの島自体がまだありません。埋め立て工事の真っ最中です。
人口マリーナを中心にして、多数の高層ビルが立ち並ぶ大型プロジェクト。現在はロンドン・アイを模したドバイ・アイとその商業施設を建設中。(写真左手の埋め立て地)
この
ドバイ・マリーナは元々入江がある場所にマリーナを作ったわけではなく、陸地だった場所を掘り起こして海とつなげた人口マリーナです。
ドバイではこの様な日本的に言ったら相当無駄(というか型破り、そしてやり過ぎ)なプロジェクトが結構あります。
2016年現在ではAl Safa/ジュメイラ近辺にクリークを拡張した川を作っています。完成図によるとシンガポールのボートキーの様な施設を狙っているのだと思いますが、「川があるのでボートキーみたいなクールな施設を造ろう!」ではなくって、「ボートキーみたいなの造りたいけど川が無いから川から造ってしまえ!」というスケールのデカさがドバイのやり方。
思ったよりも工事が進んでいます。いわゆるエマールがマスターディベロッパーのマリーナ沿いのエリアよりもドバイ・プロパティーズが手がけた
ジュメイラ・ビーチ・レジデンスの工事が進んでいます。(海岸沿い)
こちらも陸地に空き地は有り余っているにもかかわらず、わざわざ海を埋め立てて開発した人工島の
パームジュメイラ。
東京の様に人口が増え、使える土地が少なくなってきたのでスペースを有効活用すべく埋め立てを行う、というのが普通のやり方だと思いますが、ドバイでは土地の有る無しに関係なく、奇抜であるかどうかで造ってしまいます。(まあそれで人と金が集まるわけだから、それも賢いやり方かもしれませんね。)
2005年の時点では埋め立てはほぼ完成しているものの、上に乗る建物はこれからという状態。Shoreline Apartmentsとフォンドと呼ばれる葉の部分にある一戸建てプロジェクトの工事が徐々に進んでいます。
ドバイ最初のゴルフコミュニティ、エミレーツ・ヒルズ
こちらは現在のエミレーツヒルズ。
2つのゴルフ場の周りに一戸建てやタウンハウスが配置された(人口)緑豊かな閑静なヴィラコミュニティです。
写真下方の円の形が連なったコミュニティはナヒール社のJumeirah Islands。人口湖に島のように一戸建てを配置した高級ヴィラコミュニティ。
2004年の時点ではゴルフ場は整っているものの、住宅地は開発中。
次にドバイランド。
以上紹介したプロジェクトは全てアラビア湾沿岸部のプロジェクトですが、車で20分ほど内陸部(砂漠方向)へ入ったところの一大プロジェクト、いわゆるドバイランドと呼ばれるエリアは2003年時点ではこんな感じでした。
ドバイランドと一言で言っても広大なエリアで、その中の個々のプロジェクトは多数あります。
上の写真、2003年の時点では高級ヴィラコミュニティの
アラビアン・ランチズとそのゴルフコースのみ形が現れ始めています。
他は全て砂漠の空き地。
ところが2015年は・・・
もはや同じ場所とは思えない開発ラッシュ。無数のプロジェクトが広がります。
というわけで、以上、幾つかのプロジェクトの10年前と今の写真を紹介したわけですが、これら1つ1つのプロジェクトもかなり巨大ですが、それらを全て過去10年程度の間に一気にやってしまった、というドバイの途方もないスケールの不動産開発がわかっていただたけるのではないかと思います。