アブダビの砂漠リゾートへステイケーションに行く

ドバイは中東ビジネスの中心地であり、ビーチのある観光地でもあるので、オン/オフが同居している街であるところが個人的に気に入っている。

なのでドバイに居住していると、ステイケーションのオプションもなかなか充実している。
昨年は水族館やウォーターパークなどアトラクションが充実しているアトランティス・ホテルへ行った。

アトランティス・ザ・パーム(ドバイ)でステイケーション!

ラマダン明けの休暇があり、特別UAE国外への旅行も計画していなかったため、どこかUAE国内でステイケーションでもしようか?という話になった。

ドバイに住んでいてステイケーションを計画する場合、アトランティスの様にドバイ内というのはもちろんオプションだが、いつも見ている風景、というのも味気ない。

行き先が近すぎる、っていうのもワクワク感がないよね?

そこでドバイ首長国以外でステイケーションに向いている首長国は・・・

と言うと、まずはUAEの首都、NY・マンハッタンの様に島上に街があるアブダビ、それから外資系リゾートホテルが多いラス・アル・ハイマ、そしてインド洋に面した山岳地帯を越えた場所にある立地でドバイとは違った海・山の表情を見せるフジャイラ、あたりが候補だ。

そんな中、海ではなく砂漠リゾートはどうか、という話になった。

UAEにはドバイのアル・マハやアブダビのQasr Al Sarab(カッスル・アル・サラブ)の様な極上の砂漠リゾートがある。

ただしそれら極上リゾートは予算的にも3歳児連れ的にもダメだ。(それらのリゾートではロマンチックな大人の空間を演出するため子連れ厳禁な場合がほとんど)

すると妻いわく、アブダビに開業したばかり、ジュメイラホテル系列の4つ星砂漠リゾートがある。しかも連休中なのに結構安い、と言う。
ジュメイラホテルはドバイを代表するホテルブランドだ。7つ星のバージュ・アル・アラブやマディナ・ジュメイラ・リゾートなどをポートフォリオに持つ。

というわけで、アブダビ首長国のジュメイラ・アル・ワスバ・デザートリゾート&スパ(Jumeirah Al Wathba Desert Resort & Spa)へ行くことにした。

レビューによると、開業したては「従業員の教育がなっていない」等の書き込みがあるがマネージャーらしき人物が一生懸命返事を書いていて改善が見込め、結構良さそうな感じだった。

微妙な感じの場所にあるジュメイラ・アル・ワスバ・デザートリゾート&スパ


我が家から車を走らせ1時間半強、アブダビ郊外の砂漠にやってきた。

アブダビ市街地から20〜30分程度で来られるので、砂漠リゾートでありながら市街地からのアクセスが容易な砂漠リゾート、という位置づけなのだろう。

だけどリゾートに近づいて来ると、風景は北部首長国郊外にもよくある寂れた空き地な感じ。古いウェアハウス工場なんかがあったりしてムードは今ひとつ・・・

ホテルの敷地内に入るとやっとリゾート感が出てきた。


砂漠は期待したほどゴージャス砂漠な感じではないが、まあ家族でゆっくりするには十分だ。

到着すると、さっそくスーツに身を包んだジェネラル・マネージャーが名刺を差し出し自己紹介にやってきた。
何かあればすぐに私に言ってくれ、と言う。われわれヴァケーションでやってきた「ゆるい砂漠リゾート感」とは相容れない、かなりビジネスライクで緊迫した雰囲気がマネージャーに漂っていた・・・

ホテルグループ上層部から相当なプレッシャーがあるのだろうか?自分自身にプレッシャーをかけるタイプの人か?

ラマダン明け連休に突入したところで、連休にかけるジェネラル・マネージャーの相当な意気込みがヒシヒシと伝わってきた。

だがツインベッドで予約したのにダブルになってたり、その後ひたすら待たされた挙げ句に通された部屋はダブルのままだったりと、ツッコミどころ満載な感じのオペレーションぶりだった。

シーズンオフの酷暑に遠隔地の砂漠リゾートでやることと言ったらプールでまったり。


ここジュメイラ・アル・ワスバ・デザートリゾート&スパ(Jumeirah Al Wathba Desert Resort & Spa)には、砂漠を望む見事なプールがある。
ここでマイサン3歳児を遊ばせつつゆっくり過ごす。


しかし夏のアラブ首長国連邦は気温45℃もあって、とにかく暑かった。
なのでほとんどプール内で水に浸かって過ごす。

このレベルの気温は日本人にはあまり馴染みないかもしれないが、気温45℃でもプールに使っていると結構平気だ。

しかし部屋とプールの移動は外を歩く必要があるのでかなりキツイ。45℃もあると5分歩くのも耐えられない。


写真では暑さが伝わらないが、暑すぎるのでリゾート内には人気がない。
人がいるのは部屋の中かレストランかプールだけだ。

本格的なレストランはイタリアンTerra Seccaのみ


他にバーと、プールバー、朝食会場でもあるオールデイ・ダイニングしかないので、施設内にあまりレストランは充実していない。

リモート地なので、外に出て他のレストランで・・・というわけにもいかないし。

リゾート内のイタリアン・レストラン、Terra Seccaは評判が良い、と聞いていたので、早速行こうと言っていたら、よりによって妻が昼間の暑い中ダイキリを一気飲みして酔っぱらってダウン。

グズグズわがまま言い出すと非常に面倒なので、一人でマイサン3歳児連れで本格レストランのディナーはどうかと迷ったが、他にチョイスが無いので結局イタリアン・レストランへ・・・

けっきょく食事も美味しかったし、マイサン3歳児もグズグズせずスパゲッティ・ボンゴレを頬張っていた。

このレストランはオススメ。(他に選択はほぼ無いんだけど)


次の日妻は2日酔いから復帰したが、イタリアン・レストランTerra Seccaは混み混みで予約なしでは入れなかった。
なので前日に行っておいてよかった。結局妻が食事したのは2泊3日中全食オールデイ・ダイニングのみだった。

リモート地の砂漠リゾートが停電!


次の日、朝食会場でコーヒーを待っていると、なぜかぜんっぜん出てこない。
何度も頼むが、うやむやにされてコーヒーが出てこないのだ。

しばらく経ってからわかったのだったが、停電していてコーヒーマシンが停止して出せない、という事らしい。

その時は深く考えなかったのだが・・・

なんとリゾート全体が停電中。

なので気温45℃にも関わらず全館エアコンストップ。(だけど部屋内は頑丈な作りで外気が入らないため気になるほど暑くはならなかった)

プールのジャグジーは止まっていたが、一応プールで泳ぐことはできた。

リゾートホテルに来て停電なんて初めての経験だな。砂漠リゾートだけあってリモート地にあるので、簡単に外へ出る事もできず、停電の中ひたすらプールに浸かって何もしない、という状況だった。(まあ、停電してなくてもそれが「やること」なんだけど)

すでに連休に入っているので、こういうときに電気水道局の反応が遅いのはUAEでは普通だから、当分復旧しなさそう。

すでに初日からテンパっていたジェネラル・マネージャーは「血圧上がって倒れてるんじゃない?」などと妻と半分ジョークを言っていたのだったが、結局、昼頃に電気が通り無事にエアコンが効き始めた。

ホテルからも、お詫びにオールデイ・ダイニング・レストランで昼食タダ、ということになった。

停電中無料でアイス・ローリー(アイスキャンディ)が配られていたのでマイサン3歳児は大喜びだった。停電で溶けてしまう前に配ってしまえ、ということだったようだ。

その日の夕方、暑い中スーツ着てテンパりながら携帯で話すジェネラル・マネージャーを見かけたのでご存命だったようだ。

最終日は砂漠アクティビティへ。


最終日はジュメイラ・アル・ワスバ・デザートリゾート近辺の砂漠を巡る貸し切りツアーに出る。


ホテルに隣接するエリアに手つかずの砂漠地帯があってなかなか良い。

知らなかったが、このリゾートホテルがあるアル・ワスバ地区は、昔海だった名残の貝殻が層になった化石が残っていることで知られた場所らしい。それでこの地区に砂漠リゾートホテルを造ったのか。


これがその化石。

それから飼いならした隼で狩りを見せるファルコン・ショウなど、ジュメイラ・アル・ワスバ・デザート・リゾートには様々なアクティビティがあります。


というわけで、ハード&ソフト共に悪くはないけど微妙な感じの(でも価格的にはそんなもんかな、という感じの)ジュメイラ・アル・ワスバ・デザート・リゾート&スパでした。

ジェネラル・マネージャーの実直な仕事ぶりで今後の活躍に期待。



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