ピレリタイヤ走行中パンク→ニットーのタイヤ:iNVOに交換



先日、UAEの北部首長国の1つフジャイラへ出張中、高速道路を時速130キロ(法律適用範囲内です)で飛ばしていると、突然車がガタガタと不気味な振動に襲われた。

何事かと思い車を路肩に止めチェックしてみると、タイヤが見事に裂けていた。

今まで走行中のパンクを経験したことがなかったので、車の故障かと思ってヒヤヒヤしてしまった。私の車はイタ車(アルファロメオ)なのでついにイタ車の洗礼を受けたかと・・・

UAEの田舎ではピレリタイヤは売っていない
ニットーのタイヤ?
ニットー iNVOの乗り心地・評価
追記: 3年持ちそうもないニットー iNVOタイヤ

ドバイで車を所有するにあたり、住民が最も恐れるのが灼熱の砂漠の道を走行中、車がブレイクダウンすることだ。
何しろ砂漠の道には本当に何もない。

だからドバイ(&UAE)では故障しない日本車(特にトヨタ)の人気が絶大。

最近ドバイでは安かろう悪かろう中国車メーカーの進出が盛んなことは先日のコラム「ドバイで電気自動車は普及するのか。ついでに中国車は?」で書いたが、そういう事情があるので中国車が市場シェアを獲得するのは難しいのではないかと思う。

おそらくは同様の事情でイタリアの大衆車、アルファロメオやフィアットなども圧倒的に人気がない。

ニットータイヤのiNVO
ニットータイヤのiNVO
パンク時の話に戻すが、結局路肩でスペアタイヤに付け替え、スペアタイアの空気圧が全くなかったため近くのガススタンドまでハザード出しながら低速走行し、空気を入れた後は仕事を終わらせ、その後フジャイラのタイヤショップに向かった。

パンクしたのがフジャイラ市街地に近いところで本当にラッキーだった。
でなければ何も無い砂漠の道をスペアタイヤで延々と低速走行・・・ 

と考えるとオソロシイ。

田舎のフジャイラではピレリは売っていない


UAEでは3年に一度のタイヤ交換が推奨されており、私の車のタイヤも3年経っていたのでそろそろ交換しなければ、と思っていた矢先のパンクだった。
そこでいっその事フジャイラで交換してドバイに帰ろうかと考えた。

ただし問題が。

私の車に最初から付いていたタイヤはイタリア製ピレリのP-Zero 225/40(18インチ)というやつだが、ピレリのようなマニアックなメーカーは田舎のフジャイラにあるわけもなく、他のメーカーを選ばなければならない。

まあ、特別タイヤに思い入れがあるわけでもないので日本製ならなんでもいいか、という感じでタイヤショップがあると言われたエリアへ向かう。

そこでブリジストンの看板を発見。

ニットー(NITTO)のタイヤ?


早速、P-Zero 225/40と同型のタイヤがあるかどうかチェックしてもらう。


そこで出てきたのが日本製だと言う、Nittoというメーカーの奇抜なトレッドパターンの

iNVO(インヴォ)というスポーツ/パフォーマンスタイヤ。



ニットー iNVO 225/40R18 92W。

1本AED400(およそ12000円弱)。安い!

ニットー?本当に日本製?中国製の偽モノなんじゃないの? 

と店員に疑いの言葉を向けると、本当に日本製だと”MADE IN JAPAN”と刻印された表示を指差された。

ニットー・・・ 知らないな。

そこで他にオプションは無いのか聞くと、ブリジストンならあるけど値段が高いからオススメしないと言う。

ブリジストンの看板掲げているのに「オススメしない」とは不思議な店だ。高い商品が売れた方がいいんじゃないのか、この店は。

ちなみに品名は忘れてしまったがブリジストンはAED900(約27000円)。ニットーの倍以上だ。

そこで、どっちかにするから時間ちょうだい、と言ってiPhoneでニットータイヤについてリサーチ。
最近は便利だね。すぐにネットでチェックできるから。

ニットータイヤはもともと日東タイヤという日本のメーカーで、現在はトーヨータイヤの北米向け輸出専用という位置付け、結構評価の高いパフォーマンスタイヤなんだそうだ。ググってみると。

日本では楽天の激安価格で18000円。

ん???

日本製なのになぜ日本で買うより、UAEの地方都市フジャイラで買う方が30%も安いんだろうか・・・
北米市場を経由することで安くなっているのだろうか?

それはさておき結構評価が高いので結局ニットー iNVOを購入。4輪履き替えてドバイへ帰った。

ニットー iNVOの評価・乗り心地


ピレリのP-Zero 225/40にくらべ、圧倒的にロードノイズが減りました。特に高速走行時。

それから硬さも減って乗り心地は良くなった。

ノイズと硬さが減ったことでパフォーマンス・タイヤなんだけど、逆にコンフォート・タイヤ的な要素が加わった感じ。結局サーキットで走るわけではなく街乗りしかしないからこれはこれで良いのかと。

ピレリに比べてグリップ感が変わったかどうかはよくわかりません。

難点も1つあって、時速130キロ以上の高速時になるとピレリよりもステアリングに微妙な振動を感じます。ピレリの方が高速時の安定感があった、ということでしょうか。

今思えばピレリP-ZEROは本当に硬かった。

ピレリをドバイで買ったらブリジストンより高いだろうから、タイヤを消耗品と考えれば今回はお得な買い物だったかな。

一般的に田舎のフジャイラの方が物価が安いので、車社会のUAEで、タイヤのような必需品はドバイよりもはるかに安いのだろう。
多分ドバイで合計AED1,600の予算だったら韓国製のハンコックしか買えないんじゃないだろうか。

ドバイからフジャイラへの道中の風景

追記(2018年12月):3年持ちそうもないニットー iNVOタイヤ


ニットー iNVOに履き替えてから2年半経った。

ちょうど車(ジュリエッタ)は走行距離70,000kmを迎え、正規代理店のサービスに出したところ、タイヤが不均等にすり減っているから次回のサービスまでには総入れ替えした方がよい、との話だった。

乗り心地はなかなか良かったが、3年持たないとは。

それは素材(ゴム)の柔らかさから来ていたのだろうか。それとも奇抜なトレッドパターンが消耗を早めていたのだろうか。

私が住むドバイは完全な車社会のため、走行距離はかなり走るが、天候は基本的に晴れ、夏の暑さは凄いためタイヤはかなりの熱を持つ、という事が予想できる。ドバイの気候に向いていなかったのだろうか。それとも自分の運転が乱暴だったのか。

「安い」というのは良かったが、次はニットーiNVOは辞め、またピレリに戻そうかと思ってます。

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