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しばらく何だろう、と思っていたのだが誰も利用している風ではない。
実はドバイ政府の「ドバイを世界一のスマートシティにする」というイニシアティブにより、ドバイの電気水道局であるDEWAの電気自動車用充電所が作られていることがわかった。
さしあたってドバイ市内で16箇所オープンしたらしいが、その内の一つがこれだった。今後段階的に100箇所まで増やすとの話だ。
アブダビの、太陽光エネルギーと再生可能エネルギーのハイブリッドで運営されるマスダールシティもそうだが、UAEでは限りある資源(石油やガス)を大事に消費する事を考えており、グリーンエネルギー関連事業にはかなり前から関心が高い。
だが車に関して言えば、実際にドバイで電気自動車が走っているのをほとんど見たことがない。
トヨタ・カムリのタクシーと、BMW i8が走っているのを見かけたが、いずれもハイブリッドだ。
Fisker Karma(フィスカー・カルマ)を見かけたことがあるが、すでに会社が破綻で中東では販売停止らしいし、アメリカ西海岸ではクールな日産・リーフは販売すらしていないと思う。注目のテスラ・モデルSも今のところアメリカからの並行モノしか入ってきていない。
代理店の電気自動車の販売体制自体、全く整っていない状態ではあるが、早速計画を進めてしまうのがさすが実行の早いドバイだ。
ドバイ政府では電気自動車を奨励するために、電気自動車専用レーン、ハイウェイの課金システム「サリク(Salik)」の無料化、電気料金の割引、などを計画しているらしい。
渋滞の酷い朝晩の通勤時間帯には電気自動車を持っていたら専用レーンは良さそうだ。
そんなドバイ王様の意向を受け、早速DEWAでは近く発売開始予定のルノー・Zoeを8台購入したらしい。
果たしてドバイで売れるだろうか
多くの電気自動車は、前述のルノー・Zoeもそうだが、日産・リーフも小型車だ。
ドバイではそのような小型車はまったく人気が無い。
ドバイで、世界の他のマーケットよりも売れている(シェアが大きい)車種と言えば、トヨタ・ランドクルーザー、プラド、ポルシエ・カイエン、ランドローバー・レンジローバー、三菱・パジェロ・・・
デカい車ばかり。
基本ガソリン代が安いので、大型SUVの利用者が非常に多い。他にオフロードや砂地に駐車する必要性や、運転が荒い中で運転する際の安全性、といったことも人気の理由だろう。
というわけで、今のところ売れそうだと思える電気自動車はテスラの新しいSUV、モデルXくらいだろうか。テスラ・モータース自体、まだドバイに進出してないが。
ガソリン車に税金をかけるくらいやらないと、なかなか普及しないんじゃなかろうか。
ドバイに中国車がやってきた
昨年、私の車をサービスに出すためにアルファロメオ代理店を訪れたところ、ショールームの半分がGACという得体の知れないメーカーの自動車に変わっていた。
日産・ティーダにそっくりなハッチバック・・・
中国車がいよいよ来たか。
だが新車でAED29,900/-。日本円で91万円。安い。
金持ちの国ドバイで安かろう悪かろうの中国車?と思うかもしれない。
だが当然ドバイでは金持ちばかりではないので、とにかく安く買いたい人をターゲットにしているのだろう。
今までこれらの層は50〜70%程度値段の高いトヨタ・ヤリス(日本ではヴィッツ)や同ランクの車を買っていたので、価格的には破格の安さだ。同じ価格にしたら絶対売れないだろうが。
他に中国車の需要があるかもしれない理由としては、ドバイでは会社が社員に車を支給する雇用契約になっていることが結構ある。
信頼性はないかもしれないが、社用車としては安価なことで結構ありがたいと思うビジネスオーナーもいるかもしれない。
GAC(広州汽車)の他にも去年あたりからドバイに進出した中国の自動車メーカーは、
BYD(比亜迪汽車)、Chery(奇瑞汽車) 、Changan(長安汽車) Geely(吉利汽車)、Dongfeng(東風汽車有限公司) 、Luxgen(納智捷汽車)、Great Wall(長城汽車) や商用車専用のKing Long(金龍客車)、と大挙して進出していた。
せっかくだから中東マーケット向けの車を紹介しよう。
BYD F3 - ひと昔前のカムリにそっくり。
Chery e5 - 日産アルティマにそっくり。
Cangan CS75 - いまいち真似しきれていないレンジローバー・イヴォーク?
Geely GC7 - ひと昔前のVWパサート?
とりあえず次の数年、中国車がドバイ市場でどの様なパフォーマンスをするのかお手並み拝見、という感じです。
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