ドバイでリタイアメントビザが導入される。ただし条件が・・・

今年に入ってから矢継ぎ早に改革が進むドバイを含むアラブ首長国連邦の居住者ビザ・レギュレーションであるが、今回新たなレギュレーションが導入されることになった。

それは55歳以上の熟年〜シニア層をターゲットにしたリタイアメントビザの導入だ。

ドバイ/UAEの不動産を買いなさい


新たなレギュレーションは、年齢55歳以上で、かつUAEの不動産を購入する外国人投資家に対し、5年間(更新可)のリタイアメント・ビザが発給される、というものだ。

不動産購入なら何でも良い訳ではなく、2つの条件がある。

  • 所有する不動産の価格がAED2,000,000以上(日本円でおよそ6100万円)
  • AED1,000,000(3050万円)以上の貯蓄があるか、月AED20000(61万円)以上の収入があることを証明

なので、ある一定レベルのお金を持っている人がターゲット、ということになる。

今まで、ドバイ/アラブ首長国連邦を始め、GCC諸国では極端にシニア層が少なく、若年層が多いという特徴があった。

だかご存知の通り世界的にお金を持っているのはシニア層。

東南アジアでは、早くからお金持っている熟年層にリタイアメントビザを出して、自国の経済を潤す、という政策がすでに行われており、日本人のリタイア後の移住先としても人気があるわけだが、ドバイ/アラブ首長国連邦でもそういった熟年層を取り込もう(ただしある程度お金を持っている層)という方策を考えているようだ。

ドバイ不動産購入でリタイアメントビザ


そしてついでに、現在停滞気味のドバイ不動産市場を盛り上げよう、という狙いが見える。

ドバイはシニアにとって住みやすいか?


ドバイに観光に来た人なら感じると思うが、真夏は50度近くまで気温が上がるドバイで、果たしてシニアが快適に暮らせるのだろうか? 熱中症で死亡する老人が多数出るのではないか? と思うかもしれない。

確かに観光で来ると、公共交通機関を使って移動したり歩いたり、限られた滞在時間を無駄にしないため、暑くても無理やり外出したりする。
よってかなり暑い中での行動を余儀なくされる。

だが実際に住んでいると、夏はあまり外に出ない。

ドバイモールのように室内巨大空間があるので、自宅の地下駐車場から出先の駐車場まではエアコンガンガン効かせた車で移動し、出先のビルの中では冷蔵庫の様にひえひえの中で過ごす、というのが普通。

とにかく建物の中はセントラルクーリングで冷え冷えなので、外は軽く40℃を超えた熱帯夜だと言うのに毛布で寝る、なんてのも冗談ではない。エコというお年寄りの体に負担なコンセプトはない。

なので今年の日本の夏の様に、今まではエアコンは要らなかったがいきなり暑くなったので死人がでた、という事はここではない。

とにかく最初からエアコンが無ければ死んでしまう暑さなので、その辺の対策は完璧なのだ。
(だけど冬は東南アジアより涼しいんです。真冬の最低気温は10℃程度)

物価が高い


だけどドバイにとって、リタイア後に住むには非常に不利な点がある。
それは東南アジアなどに比べ「物価が高い」ということ。

特に外食などするとマレーシアやタイに比べ2〜3倍の価格になってしまう。基本的に不毛の地なので、食材はほぼすべて輸入、という点もコスト高に拍車をかける。

マレーシアの食に関するコラム
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なので年金を貰いながら生活して・・・というスタイルの移住にはまったく向かないのだ。

そしてシニアの保険料は高い


ドバイの外国人居住者の健康保険は、アメリカと同様に完全に民間によるものなので、市場の原理に基づいており、当然のことながら病気になりがちなシニア層の方が保険料が圧倒的に高い。

日本の様に若年層からお年寄りまで同じ保険料(だがシニア層が圧倒的にその予算を使い、若い層は使わない)、という訳にはいかない。

だけど若者よりシニア層の方がお金を持っているのが普通なので、そのシステム自体はある意味理にかなっているとも言える。
日本の様に高齢化社会によって、医療を含めた社会保障システム自体の存続が怪しくなるようなら、弱肉強食であっても、ドバイ型のやり方の方がメイクセンスかもしれない。

よってドバイで老後を過ごしたいなら、シニアになる前に、来るべき負担を見越して自身で資産をためておく必要がる。

(ちなみにドバイでは、医療保険システムとしてはアメリカよりも遥かにマシ。働き盛りの年齢であれば、日本とそれほど変わらない保険料で8〜9割カバーの保険に入ることができる。)

と、考えるとやはり・・・・

ドバイに移住するのは圧倒的に稼ぐ人には良いが


ドバイ/アラブ首長国連邦では、法人税、所得税、資産税、相続税、不動産税などまったくない(ゼロ)なので、大きく稼ぐ、または配当などで大きな収入がある人には非常に優位な場所なのだ。

だけどリタイアメント後の移住にはまだまだ向かない。

なので私自身もドバイに骨を埋めるつもりは今のところ無いが、今後保険料などを含めた政策がリタイアメント後の人々を惹きつけるようなものになっていくのかどうかは注目すべきところだ。


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