最初から古代遺跡にはそれほど興味の無い私であったが、旅自体はなかなか面白いものだったので、 エジプトを回って思ったことをツラツラと書きたいと思う。
ナイル川クルーズはなかなかいい
今回のツアーは羽田発、ドーハ(カタール)経由のルクソール入り、という日程で、ドバイに住む私は現地ルクソール集合(実際にはドーハから同じ飛行機)にて参加。
ルクソールから早速観光スタートしてナイル川クルーズに乗り込む。
このナイル川クルーズは、ルクソール〜アスワンの間を4、5日かけて、ナイル川沿いの遺跡を観光しながらクルーズ船にてゆったりと移動する。
どちらかというと日本人の忙しい旅行とは違い、私好みのゆったりした旅行スタイルだ。
我々が乗船したのはNile Goddessという名前の船だったが、メシはマズくなく相対的にまあまあだった。
五つ星という触れ込みだが、ドバイ的視点で見ると「デイラ(旧市街)の中級ホテル」といった趣。
このクルーズには我々のツアー(クラブツーリズム)と、もう1つの日本のツアー客が乗船していて、日本人の貸切となった。
ゆったりとナイル川を上るクルーズは、忙しい日常を忘れさせてくれてリフレッシュできた。
特に今回は日本に住む両親と一緒だったので、普段会わない両親とゆっくりと話をする機会ができて非常に良かったと思う。(まともなWIFIサービスが無くて仕事メールをチェックできなかったこともある意味良かった。)
ところで(予想はしていたのだが)、旅行している日本人はシニア層ばかり。それは我々のツアー内の話だけでは無い。観光スポットで見かける日本人全般の話。
カルナック神殿にスカラベ(ふんころがし神様)の像があって、その周りを6周まわると結婚できる、という逸話があるらしい。
日本語ガイドさんがその話をした後、ツアー客の中からまだ結婚していなさそうな人を見回し始めた。嫌な予感がしたのだが、そこで「結婚してますか?」との質問を浴びせかける為に選ばれたのは私だった。つーか、私46歳なんですけど・・・
まあ、そんな感じのシニア度なのだ。
ナイル川クルーズのハイライトを写真にて
3000年前は世界一繁栄していた都市。今は平和な片田舎の街という趣のルクソール
ナイル川沿岸の平和な風景。
エジプトも私が住むドバイ(アラブ首長国連邦)と同じく砂漠の国だ。だがナイルが恵みをもたらした。
ドバイではオイルマネーによるエアコンと海水浄化水が恵みをもたらした。
2000年以上の月日が流れても今なおそのままの形を残すホルス神殿の石上のレリーフ。
アスワンの街は古めかしく何となくノスタルジックな気分にさせる街だった。
ここまでナイル川上流(内陸)に来ると何となく涼しい。ルクソールは結構暑かった。
そしてツアーに完全に組み込まれているアスワンの香水屋でお土産を購入。
ツアー客はすべてここへ運ばれてくるシステムなので適正価格なのかどうかはとても怪しい。
店員は完璧な日本語を話す。
ナセル湖に沈む夕日。
アブシンベルで泊まったセティホテル(Seti Hotel)は古めかしいがなかなか趣があっていいホテルだった。
ユネスコが60メートル移動し、世界遺産のスタートとなったアブシンベル神殿
アブシンベルはすでにスーダン国境に近い。
ここで偉そうに日本人の休日と海外旅行に関して感じることを。
まとめて休日が取れる時期では無いのはわかるが、元気でお金を持っているのはシニアだけなのか、若者は忙しくて旅行どころでは無いのか、そもそも若者は旅行に行くお金が無いのか、それともエジプトのような情勢の悪いところへ行くのは先が長くないからと思っているシニアだけなのか・・・
本来、旅行でも何でも海外へ出るのは、様々な経験を得る、様々な事態に臨機応変に対応できる、ということでは若い時の方が良いと思う。
考え過ぎかもしれないが、若い時はひたすら会社で働く毎日を過ごし、子どもが巣立って、仕事もリタイアした後に、やっと人生を楽しみ始める、という日本人のスタイルはどうかと思うね。 個人的には。
シニアになると頭が固くなるので、もっと若い人がどんどん海外へ出て、若いうちから色々経験できる社会の方が良いと思うが。
エジプト旅行は圧倒的に日本人が多い
旅行中、道中見かけた旅行客は多分6〜7割が日本人、次に中国人、欧米人はあまり見ない、といった感じだった。エジプト旅行は圧倒的に日本人が多い。
距離的には非常に近いのに、ヨーロッパ人が少ないのは少し驚きだった。
今回はアブシンベル神殿で、夜のライトアップ・ショー(音と光のショー)を見たのだが、「客は日本人が多い」という理由でショーはなんと日本語バージョンだった。
目の前に座っていたフランス人のお姉さんグループはエジプトへ来たら日本語のショーを見せられ、どう思っただろうか。
ところでこのショーの日本語ナレーションが50年前のNHK教育ラジオってな感じで、言葉が古くて意味がよくわかんないしイマイチだった。いっそ英語の方がわかりやすかった・・・
話変わるが、海外旅行に行くと(やっかみではなく単純に)どこでも目につく中国人であるが、やはりエジプトにもそれなりのパーセンテージで来ていた。
だが面白いことに中国人は「写真撮影/カメラ持ち込み禁止」の場所には全くいない。
彼らは写真を撮りに旅行に来ているんだろうか・・・
写真OKな場所では遺跡によじ登って周りを気にする事もなく大胆なポーズを取り、やや目障りなのだが。
やっぱり食事はマズかった
前述した通り、クルーズのメシはビュッフェ形式だったので比較的種類も多くまずまずであったのだが、街のレストランとなると話は違った。
どうもエジプトのように治安の悪い場所だと、ツアー客が行くレストランもお約束のところになってしまうようだ。入ったレストランの多くは銃を持った警察が常駐している場所だった。
だが大量の団体観光客をさばくための食事処、という感じで味は今ひとつ。
そしてメニューは必ずケバブ(串焼き肉)に、ジャポニカ米にも似たエジプト米のご飯が添えられたもの。 さすがに何食もこれが続くと食欲も減退してくる。
エジプトにも美味しいものはあると思うが、旅行で食を楽しむには個人で街に出る必要がありそうだ。街中の庶民のコシャリ屋でも試してみたかった。
ところでエジプトは皆さんもご存知の通りイスラム教国である。だがお酒好きにとって朗報なのはエジプト産のビールもワインもあることだ。
エジプト産のビールには「ステラ」と「サッカラ」というのがある。どちらもヨーロッパの影響を受けた味わいで結構悪くない。
エジプトでは少数派の、コプト教(キリスト教)などイスラム教徒ではない人たちが醸造しているのか聞いてみたところ、「イスラム教でもお酒作って何も問題ないよ」だそうだ。
より宗教色が強く、酒を作らないどころか国によっては滞在中も酒が飲めない地域が結構あるGCC諸国とはずいぶん違う。サウジアラビアでイスラム教徒がお酒醸造したら、多分公開処刑だよね。
この辺は政教分離が進んだトルコにも若干似ているようだ。
エジプト旅行3へ続く・・・
・フォローして頂けますと嬉しいです。(フォローバック100%): @hiroshiyamaoka
世界を旅した旅行記をまとめたページ