報道ステーションやりすぎ。

遅ればせながら報道ステーションが12月17日に放映した『ドバイ・崩れ始めた未来都市』をyoutubeで見た。んで、感想‥‥


なんでこう日本の民放はヤラせっつーか、こじつけっつーか事をさも一大事のように報道するのだろうか?はっきり言って深い取材がなされたとは思えない。一時期ドバイを賞賛する本は中身が無くても売れてた時があったが(そんなに前ではないが‥‥)、今度はドバイ熱が覚めやらぬ前にドバイ崩壊ネタで注目を集めよう、視聴率を上げよう、という魂胆がみえみえだ。もしそういう魂胆でないとするなら報道番組の取材能力の弱さにあきれてしまう。正直言って報道ステーションは私の中で圧倒的に株を下げた。

覚えている範囲でたとえば‥‥

おそらくカラマかサトワ地区の空き家になったVilla群を「あ〜酷い」と言っていたが、再開発にために立ち退かせたのは最近の事で、5年10年放置されているわけではないのだからこれを取り上げて崩壊というのはおかしい。

それからJBR(Jumeirah Beach Residence)。7000戸完売してるが入居は10%だけ、といって誰もいないビルとエリアを放映してゴーストタウンと言っていたが、JBRは投機家が転売目的で入居させずに空にしているビルが少なくとも4棟あり、JBRやドバイ・マリーナの入居が無いのは景気が良い時からそうであって景気が悪くなったのとは関係が無い。JBRの入居が進んでいる部分は人もいるし店もオープンしている。しかも今でもそのエリアの家賃(レント)はその価値以上に高い。レントが高値を維持している事実を無視して崩壊にこじつけるんでは説得力が無い。投機家が貸出さないのとレントが高くて入れないのがJBRに人がいない理由なのだ。

そして労働者。過酷な建設労働者の実態はドバイが発展を謳歌している時からの問題で、なんで彼らの生活環境の悪さが「ドバイの崩壊」に繋がるのかさっぱり???だ。低所得労働者が文句を言うのは以前からのことで、ドバイが絶頂だった時にはちょっとした暴動も起きている。

とは言ったものの‥‥
ドバイにも世界不況の波が来て特にクレジット・クランチによるキャッシュ不足が深刻なのは事実のようだ。とくにそれによって資金繰りが難しくなった不動産、建設セクターは従業員解雇も進んでいる。しかしながら報道ステーションの内容には全く説得力が無い。とりあえずドバイの負の部分を列挙して「崩壊」にこじつけた。という印象だった。しかもこれらの負の部分は今に始まったことではない。

そしてもっとややこしいのは‥‥
日本人はテレビの影響をまともに受け過ぎだ。私の所にも「ドバイは崩壊したみたいだけど仕事大丈夫?」といった感じでドバイにいる人間は皆不幸になったかのような勢いだ。おーきなお世話です。ドバイもアメリカやヨーロッパ、日本と同じように、同じレベルで不景気なんですよ。
民放のヤラセっぷりにはあきれてしまう。影響力があるのだから、その分責任ある報道をすべきだ。

いっぽうでNHKのニュース番組でやっていた「沸騰都市ドバイ」がもはや沸騰ではなくなった、という趣旨の報道は的を得ていた。株価の低迷と、ドバイの不動産市場の歪んだ構造に焦点をあてる報道のやり方は正しいと思う。

私自身はドバイの不動産バブルが崩壊するのは良い事だと思う。報道ステーションの内容で1つだけ良かったのは政府関連のアドバイザーらしき人物が「なんでも世界一を目指してやってきたドバイのやり方は意味が無い」と言っていた部分だ。まったくもっておっしゃる通りです。そのやり方で過剰な投機マネーが流入した。これからは実際に住む人間のことを考えた開発に転換すべきだと思う。

このへんでグリーディーな投機家にはちょっと損をしてもらって、実際にここドバイで暮らしビジネスをする人々に余計なコストがかからないようになればベリーグッドだと思う。

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