ぜんかいブログの解毒剤として。

前回「報道ステーション」のドバイ崩壊の根拠があまりにショボかったので‥‥ ついつい反論してしまったが今回はその解毒剤として。

ドバイ不動産バブルは崩壊するでしょう。(というかもうしてると言うべきか?どの時点で崩壊と言うべきかわからん。不動産売買件数は圧倒的に減ってるが市場に出ている価格はそれほど下がってないし、レントはあいかわらずバカ高い。)
工事やプロジェクトの中止/延期で母国へ帰国する工事関係者は増えていて日系建設企業でも例外では無いようだ。ほんの2、3ヶ月前には「日本の建設関係の人がさらに増えている」という話を聞いていたから、不動産/建設セクターの冷え込みっぷりはかなり急激だったようだ。

で、私が勝手に予想するに‥‥
おそらく世界一高いビル「バージュ・ドバイ(Burj Dubai)」や09年9月完成予定のメトロは完成させるでしょう。(当然完成予定は遅れると思うがそれはドバイではあたりまえだ。) そりゃ〜世界一を更新した今になって廃墟&空きビルで放置するわけにはいかんでしょう、やっぱり。ただ完成しても実際入居するつもりで買った人間などほとんどいないだろうから、完成してもしなくても結果としては"空きビル''だ。


きっとエミレーツ・ロード沿いの「ドバイランド(Dubai Land)」関連の計画はかなりスケールダウンすると思う。「アジア・アジア」などホテル52棟と地下ショッピングモールを建設する予定だったBawadi地区などはスケールダウンどころか建設じたいしないんじゃなかろうか?これが2010年完成予定だったなんて今となっては夢のような話だ。パームデイラもおそらくマスタープラン通りに完成する事はなし‥‥ 
ドバイランドのオフプラン物件(計画の段階で売る物件)は2006、07年に盛んに売り出していたが、その時点でもうすでに異常な値段の高さだった。だからそこで買ってしまった投機家は今後、損を覚悟で転売するか、またそのプランが早く完成するのを祈って待つかの厳しい選択を強いられそうだ。

ところで見方を変えれば近年のドバイ不動産が異常だっただけでこれから普通に戻るという考えもできるかも。どう考えてもドバイランドの物件の値段がNYやロンドン、パリ郊外の値段と同等なのはおかしかった。だってドバイですよ。砂埃かぶってますよ。砂の荒野ですよ〜‥‥

まぁ、ドバイの不動産バブルは崩壊する。ということにして‥‥

ポイントは「ドバイ不動産バブルの崩壊」が=「ドバイ経済完全崩壊」になるのだろうか?という部分。

自分が思うにそれはない。
基本的にドバイを支えているのは「観光」「物流ハブ」「金融」で、この中でも「物流ハブ」としてはその立地や経済特区政策によって磐石の地位を築いている。法人税、所得税が無いのも永遠の強みだ。(タックス無しが永遠かどうかはわからん。)
観光、金融は一時打撃を受けるだろうがいずれ復活すると思う。ドバイがキャッシュ(liquidity)不足でもアブダビはめっちゃ金持ってる。いざとなったらアブダビが助けるというのが大方の予想だ。

不動産は政策転換が必要でしょう。投機マネーを集めるために高級物件ばかり造って、ここで生活する普通の人々が買える物件が無い、結果空き家だらけ。という今の状況はおかしい。

ところで日本のマスコミがよく取り上げる「ドバイ完全崩壊論」は見方がワン・ディメンショナルだと思う。しかも圧倒的に悲観的だ。ヤバいのは世界中どこも一緒なのだからもうちょっと人々に希望を持たせるような報道はできないんだろうか?

「不況→マスコミが悲観する→金持ってる人も使わなくなる→経済活動がさらに滞る→さらに不況→さらにマスコミが‥‥」
とくに日本はマスコミの影響が強いから‥‥
ちょっとはアラブの楽観主義を見習ってほしいもんです。先日もArabianBusiness.comで「ドバイの不動産価格は3、4ヶ月で上昇する」と断言した投資会社の幹部の記事が載っていて、返信コメントで総攻撃されていた。アラブには日本人ばりに用心深くて慎重な人間が必要ということかも‥‥

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