我が家の空気清浄機選び〜ヨーロッパ製vs日本製〜その結末は・・・

我が家では空気清浄機を買うことにした。

かれこれ18年飼っている猫の抜け毛がひどく、1歳8ヶ月のマイサンの鼻タレが止まらないのだ。

ちなみにマイサンはその他のアレルギーは大したことないが、よりによって猫アレルギーが最高レベル。私と18年間苦楽を共にしてきた猫を手放すわけにもいかない。(しかも手放すにしろ、糖尿病で毎日のインスリン注射が欠かせない老猫を誰がもらってくれるだろうか・・・)
よって掃除機ロボットRoombaで毎日部屋の中を掃除をするなど、何とか対応していた。 

だが今は猫の抜け毛シーズンらしく、さらなる対応が必要になったのだ。

というわけで・・・

空気清浄機購入のリサーチを開始


最近Amazonに買収された、ドバイではNo.1ネットショッピングサイト、souq.comを物色する。

調べ始めると早速行き詰まってしまった。空気清浄機ほど各商品の違いがわからない電気製品はほかに無い。
何しろ、空気がどれほどキレイになっているか、どれが効くのかは数値で表せないため客観的に判断するのが難しく、どれを選べばよいかまったくわからない。

今日の我が家の環境 in Dubai

しかもドバイで空気清浄機を販売しているのは、日本製では日立、パナソニック、シャープとよく知られたメーカーだが、日本以外のメーカーはよく知らないメーカーが多い。
商品の良し悪しの前に、どこの国のメーカーで、そして信頼に足るメーカーなのか調べたいので、それだけでかなりの労力が必要だ。

というわけで、最初のうちは安心の日本製:日立、シャープ、パナソニック、の3社に加えて、うちでも掃除機を愛用しているダイソンの中からどれかかな、という感じだったが決め手を欠いていた。

ドバイではPM2.5はさほど脅威では無いし、湿度は乾燥していないので、特別ハイパフォーマンスである必要も、加湿機能が付いている必要もない。だが猫フケなどアレルゲンは最低限除去してほしい。というわけで、

  • 予算AED2,500(74000円程度) 
  • アレルゲンを除去する性能だというHEPA フィルター搭載 
  • あまりインテリアを害さない(大きくない方がよい) 
  • よって必ずしも部屋全体を清浄する必要はない

あたりが条件となった。もちろん中国製、韓国製は除外だ。

ちなみに日本に比べ、同等の空気清浄機でもドバイでは価格が高い。例えば日本で5万円程度で売られている商品がドバイでは7〜8万円する、というイメージだ。

ところでさらに物色を進めると、スイス製のスタドラー・フォーム(Stadler Form)という聞いたこと無いメーカーの空気清浄機(「ロバート」と言う)がインテリア的にオシャレで気になった。

ヨーロッパ製品 vs. 日本製品の様相に


仕事柄、日本製品をドバイでマーケティングする、みたいな話は時々あるが、その際に私がいつも話をするのは「ドバイ市場ではブランド力で勝るヨーロッパ勢とのガチンコ勝負になります」という事。

私の経験上、中身もなくセレブを連発するテレビの影響からか「中東では金持ちばかりだから日本から商材を持っていけば何でも売れるはずだ」と根拠もなく間違った理解をしている人が多い。
「アラブ人男性はスイーツがお好き」と市場を知る事の重要性
だが実態は、ヨーロッパ製品にはブランド力で負け、中国・韓国勢には安さで負け、と日本製品にとっては非常に苦戦を強いられる市場なのだ。

私の空気清浄機購入計画も「ヨーロッパ製品vs日本製品」のガチンコ勝負へと突入。

このヨーロッパ製品。ダイソンのピュアクールといい、このスタドラー・フォーム・ロバートといい、実にオシャレ。
空気洗浄機もインテリアの一部だ、と考えればヨーロッパ勢のアプローチは納得できる。

一方の日本製。性能は多分文句なしなんだろうが、いかんせん「空気清浄機デス!」とうルックスがどうもモサい。

昔よりオシャレめではあるが、どうも「空気清浄機」という観念から抜け出せないルックスなのだ。この辺ははっきり言ってしまうと申し訳ないが、どうしても「守りに入った日本の大企業サラリーマンが造った」香りが商品デザインからプンプンと滲み出ており、今ひとつ趣味に合わない。

ところでオサレ度では文句なしのヨーロッパ製だが、ダイソンのピュアクールは空気清浄機付き扇風機という立ち位置で、肝心の空気清浄機の作りはいたってシンプルそう。だがその割に価格は高い。「ダイソン」というブランド名に金払っている感じ。

そしてスタドラー・フォーム・ロバートは、HEPAフィルター使用ではなく「水で洗浄」という方式で、どこまで信頼できるかが未知数で、それなりの金額を払うには若干不安。souq.comでしか売っていないので現地代理店があるのかもわからず、それも不安。そして加湿機能も必要無い。

一方日本製は、前述したデザインの好みはさておき、日本メーカー各社の製品が入門〜高級まで3〜5種類ほど幅広くラインナップされているため、逆にどれを選んでよいかわからない、という状態に陥ってしまった。

顧客重視からくる従業員の涙ぐましい努力によって、様々な機能を持つ様々なランクの商品を親切に出しているが、それが仇となってどれを選べばよいかわかりにくい、という結末になっていないだろうか。しかも日本の電気屋さんの様に、違いをしっかりわかっていて説明してくれる店員さんもドバイでは皆無。

その辺ダイソンもスタドラー・フォームも空気清浄機は一品しかないので迷うことがない。

機能充実で信頼の日本製か、はたまた機能は省いてもデザイン重視のヨーロッパ製か。悩ましい・・・

そんなことを考えながら、ダイソンを買い物カゴに入れてキャンセル、日立を買い物カゴに入れてキャンセル、ってな感じでどうにも選べないまま毎日数時間を無駄に過ごし、完全にドツボにハマってしまった。

だれかヨーロッパデザインの中に日本製品の中身を入れてくれないだろうか・・・

伏兵現る


結局、そんな感じでどれか一つを選ぶ事ができず、

あ〜!もういい。普通の機能で安いのでいい!(安ければ使い物にならなくて捨てても後悔しないから)

というわけで、もうちょっと安い価格帯を見てみると・・・

Mi Air Purifier 2 というミニマルデザインの空気清浄機、AED675(20000円弱)という商品が目に入る。安いが私のニーズを結構満たしている。

どうもインドで売れているらしい。デリーの強烈なPM2.5にも対応できているらしい・・・・

メーカーはiPhoneそっくりで有名なシャオミ(小米)だった。

中国製の電気製品か・・・

一瞬抵抗があったが、これ以上空気清浄機選びに時間を費やしたくなかったのでさっさと購入。そして次の日にデリバリー。速い。そして苦痛の商品選びから開放された喜び。

ところで購入後に知ったのだが、このMi Air Purifier 2は日本のバルミューダというベンチャー企業がデザインした空気清浄機に酷似していてパクリと言われているらしい(少なくとも日本では)。

日本製品をパクって、まだ日本製品が進出していない第3国でさっさと大量に売る・・・
これぞ中国流。

Mi Air Purifier 2とは


これが結構良さげ。やすかろう悪かろうと馬鹿にできない、中々のクオリティ。

作りは至ってシンプルだが、システムは3倍以上の価格がするダイソンのピュアクールに似ている。下の円形HEPAフィルターで洗浄し、上の扇風機で出す。違いはダイソンが羽なしイノベイティブな扇風機なのに対し、これは普通の扇風機が乗っかっているようだ。

正直なところ部屋の空気がキレイになっているのかはよくわかりません。

でもスマートフォンからコントロールできるのは結構便利だ。ペアレンティングコントロールもついているので、本体ボタンをすぐ押してしまうマイサンがいても大丈夫。

なかなか気が利くじゃないっすか。

猫の抜け毛はさらにエスカレートしているが、マイサンの鼻タレは徐々に収まってきており、結構効果もでているようだ。顔の発疹などは出なくなった。(空気清浄機の効果かはわからないが)

日本人の私にとっては「やすかろう悪かろう」がいつまでも頭から抜けない中国製品の評価だが、パクリ疑惑はさておき、今回はけっこう満足な買い物だったことを付け加えなければなるまい・・・


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