ちょうど妻の誕生日イベントを企画していたところ、妻が観たい、と言い出したからだ。
ミュージカル仕立てのロマンス映画なんだそうだ。
ミュージカル…
実は私ミュージカルが苦手だ。いきなり踊り始めちゃったりなんかして、なんかこう、クサいというか大げさというか、いまいちリアリティに欠けるからだ。
批判を恐れずに言ってしまえば、ミュージカルは「女の子趣味」で乙女チックなのではないかと思っている。
だが妻はミュージカル好き。
しかもLA LA LAND(ラ・ラ・ランド)はロマンス映画・・・
さすがにおっさんになるとなかなか恋愛映画には興味が湧かない。もう「胸キュン」とか有りえないもんね。どう考えても。
でもまあ、妻の誕生日イベントなので・・・
というわけで、あまり興味は無かったものの、映画館へ行く前にトレーラー(予告編)をチェックする。
するとロマンス映画だが、ジャズも題材だという。しかもライアン・ゴスリングが主演している。
私、最近ではライアン・ゴスリングの出演する映画は結構好きでよく見る。
もともとジャック・ニコルソンが出演する映画(特に70年代)はどれも好きで、1974年のチャイナタウン(Chinatown)をはじめ好きな映画がいくつかある。チャイナタウンなんか、多分10回は見たと思う。何度見てもイイ。
そのレベルとは言わないが、最近若手俳優で、オートマチックに出演映画を見てもいいかな、と思うのはライアン・ゴスリングだ。
そんなわけで、久々に映画館まで行って観た、ラ・ラ・ランド。
冒頭からハイウェイで踊り出すミュージカルぶりで、あちゃ〜、という感じで見始めたのだが。
終わってみると、これがなかなか良かった。
(ミュージカル仕立ても部分的でそれほど気にはならなかった)
なんというか、ドバイに来て早10年、
忘れかけてた「何か」を思い出させてくれる映画だった
ジャズは死にかけている・・・
葛藤しながらもトラディショナルなジャズを追求するライアン・ゴスリング扮する主人公と恋に落ちる女優の卵。
実は私、今はなぜかドバイでコンサルタント会社を経営しているが、妻と出会ったのはニューヨークのジャズ音大で作曲を専攻していた時だ。妻は名門クラシック音大でフルートを専攻していた。(人生って何があるかわからないですよね?)
映画の題材はラ・ラ・ランドことロサンゼルスだが、ニューヨークもそういう場所だ。
最近のアメリカと言えば、トランプ大統領の登場で、何かと悪い事ばかりに焦点があたりがち。
私もアメリカを出て心底良かったと思っていることは前回のコラム「ドバイ移住のための心得(言語編)」で書いたばかりだが、ラ・ラ・ランドでも描かれているように、芸術や映画などのエンターテイメントへの懐が深く、その世界のトップを目指して若者がロサンゼルスやニューヨークを目指して世界中からやってくる。
そしてその結果、良い作品を生み出すし、業界全体の質が高い。それはもう日本のそれとは比べものにならない。
そんな懐の深さとイノベーションを生み出す力がアメリカにはあり、それがアメリカの強さであることを思い出した。
そして、その道で成功する人間もいれば、他の道へ進む人間もいる。その道で成功しても不幸な人もいれば、他の道へ進んで幸せな人間もいる。(私のように)
人生って不思議。
でも、お金とか度返しで、自分のやりたいことをとことんまで追求する人たちが集まってくる場所。
それは音楽だったり、ダンスだったり、絵画だったり、演劇だったり、写真だったり。
何でもいいのだが、とにかくそういった野望を持った若者を惹きつける魅力がロサンゼルスやニューヨークにはあり、そしてそういった人々が放つエネルギーが街に充満しているのだ。
やはりドバイブログだから、ここでドバイとUAEの話をせねばなるまい
一方ドバイに来てから考える事、普段仕事で接する事柄といったら、マネー、マネー、資産、不動産、マネー、運用、高級車・・・
よく考えたらそんなんばっかり。
おかげで結果、経済的には恵まれてきたとは思うが。
必ずしもお金にこだわることに関して批判している訳ではなくて、まあ、お金は人生において重要ではあるし、芸術などに没頭して(世間一般的に)経済的にはまともな人生を送れない人間がいる一方で、ひたすら金儲けに邁進して富を独占する人生があってもそれはそれで良いと思う。それは人それぞれだと思う。
ドバイでは経済的に苦しくても芸術に没頭するタイプの人はまずいないと思うが、富裕層には魅力的な場所で、そういう人たちが集まってくる場所なのだ。
そんなドバイに来る前と来てからの私の経験から、ラ・ラ・ランドをみて、なんとなくノスタルジックというか、懐かしい感じがしたわけです。
ドバイが世界一の都市となるためのチャレンジは
王様がドバイを「世界一の都市にしたい」という野望を持っているのはすでに明らかであるのだが、もっともハードルが高いと思われるのが、芸術や文化の開花、といったところだろう。
実はドバイよりもアブダビの方が芸術に力を入れる事は宣言していて、グッゲンハイム美術館やルーブルの分館の建設はその一環だ。
だがハードの充実はお金で何とかなるが、ソフトの充実、例えば実力のある芸術家がドバイ/UAEから生まれるとか、ドバイ/UAEに住むとか、その人たちに教えを乞うために世界中からドバイ/UAEに人が集まってくる、などとてもありえない。少なくとも今のところは。
そもそもドバイとUAEでは生活コストが高いので、貧乏芸術家が移り住んだソーホーから新たなカルチャーが生まれ・・・
みたいな展開はなかなか難しい。
宣伝しちゃっていいですか?
実は私が10年以上前にリリースした楽曲は今でもiTunes Music Storeで買えるんです。
自分も忘れてました。その存在を。
Hiroshi Yamaoka - iTunes Music Store
懐かしいね。とにかくこのころは四六時中音楽に没頭してました。他のことは何も考えなかった。
いっそのこと、おすすめ楽曲を載せてしまおう。自分のブログだから。
ラ・ラ・ランドを観て、かつての自分を思い出し、新たな活力が生まれて来るような気がした自分でした。(それから誕生日の妻への感謝の気持ちもね)
・フォローして頂けますと嬉しいです。(フォローバック100%): @hiroshiyamaoka