若い!ゴールドマン・サックスのエグゼクティヴ

昨日のCNBC(テレビ局)で、SECから提訴され話題のゴールドマン・サックスの公聴会を見た。そこに登場したゴールドマン・サックス幹部の面々を見て随分日本とは違うなあ、と思われた方も多いだろう。

なんと言っても・・・・

若い。(しかもイケメン・・・)

例えばこれが同じく100年以上の歴史を持つ日本の投資銀行だったらどんな面々が集まるだろうか。
おそらく60歳前後の企業幹部の面々。チェアマンなど登場したら70歳代なんてことにもなるだろう。
ところで僕は特にそれを批判する気は無く、違うなあ、と感じただけ。物事には必ず「良い点と悪い点」が混在しますので「若ければいい」というわけではありません。(だからといって「年上なら偉い」というのも完全に間違ってますが・・・)

今回のメンバーの中でも特に注目されているのが31歳・スタンフォード大学出身のフランス人、ファブリース・トゥーレ氏で、彼は自分自身を"Fabulous(素晴らしい) Fab"と呼んでいるそうな・・・
ちなみに女性関係もそうとう「スムース」らしい。

以前、ウォールストリート発世界不況真っ直中だった時に、イギリス系新聞で「この不況の責任は誰があるのか」というコラムがあった。それはなかなか面白いコラムで、その責任は「ウォールストリートに勤めるアイビーリーグMBA出身のエリート達」だという。
なぜかと言うと、こういうアメリカの一流大学MBAの出身者というのは、

・人生で一度も失敗を味わった事が無い
・もともと自信過剰なうえに「MBA=自分に自身をつける教育」がなされるためさらに自信過剰になる。
・自分の論理はすべて正しいと思っている。
・なので危機管理ができない。

というわけで過剰な投資に走ってしまった。そうな・・・
そしてその失敗をアメリカ政府が税金で助けてあげたのだからタチが悪い。1年後にはすでにものすごい額の報酬などが復活してまた自信満々だ。

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まあ極論とはいえなかなか面白い。そこで公聴会に呼ばれたトゥーレ氏とその他のゴールドマンの面々を見てこのコラムを思い出してしまった。

ところで公聴会に集まったゴールドマン・サックス幹部の面々だが、この中にはすでにゴールドマンを離れている「元ゴールドマン」も結構いる。前述のトゥーレ氏もその一人。

この辺は職の流動化が進んでいるアメリカらしいが、これは日本も見習うべきと思う。もし日本の企業幹部だったら「その会社一筋勤続40年」のベテランだらけだと思うが、「1つの会社・1つの社風」の中に何十年もいたら人間として偏ってしまうんではないかと思うがどうなんでしょう?(まあ自分がその範疇におさまらなかったので勝手な事言ってるんですが。)

まあこの辺も「良い点と悪い点」が混在する。職の流動化が進むと「弱肉強食化」が進み、実力ある若手が会社の中心になる代わりに、活躍しないベテランのリストラもさかんになるだろう。
欧米スタイルでリストラされるのは「給料は高いが結果を出さない」人々だ。高い報酬の人をリストラするから企業の財政負担も軽減されて利益を出しやすい体質に変わる。それはアメリカ企業のここ数四半期の収益力を見れば一目瞭然、どの企業も予想を上回る好結果を残して景気回復の印象がある。

逆に日本でリストラされるのは「派遣など立場の弱い人=給料の安い人 」で財務体質改善効果は低いので立ち直りも遅い。

職の流動化が進まない日本では「給料は高いけど利益を出さない」ベテランは転職もままならないので必死で企業に残る結果「頭でっかち」な会社人員構成になってしまうし、元々就職難で職のない若手はうまく職を見つけないと一生まともな職に就けなくなってしまう。

とはいっても、ベテラン世代にとっては20年30年勤続していた会社からリストラされて、家族がいて、さらに転職もむずかしい・・・

となったら 大変ですよね。

逆に若い世代は職が安定しないから家族(子供)も持てない、という問題があるわけで。

右肩上がりの高度成長時代が終わってしまった日本では、もはや「皆が満足できる政策」というのはあり得ないのでしょう。金持ちを優遇するのか、貧困層を拾いあげるのか。若者を優遇するのか、お年寄りを優遇するのか。
日本の政治家には早くリーダーシップを発揮して頂きたいものです。

「失われた10年」が「失われた20年」となった今ではまったく期待できませんが。





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