僕が日本を離れてからすでに12年になった。
その間日本に3ヶ月以上連続して滞在した事が無いので、日本の状況については日本在住の方々に比べたら何も知らないに等しいが、それでも12年前に比べたらインターネットの進歩で日本に居なくとも色んな情報が手に入る。
そんな中でも最近よく目にしていたのがこのJALの法的整理だ。
JAL自体の経営の失敗はさて置き・・・
まあ、労働組合が巨大すぎて年金や社会保障の整理がなかなか進まない所がアメリカのGMの法的整理にそっくりとか、自民党が採算のあわない地方空港を造ってJALに飛ばさせたのがいけないとか色んな問題があるようですが、とりあえず透明性の高いプロセスの法的整理になってよかったと思う。
なにしろ場合によっては一兆円の支援をしなければならないらしい・・・日本は借金だらけだというのに。
しかもJALの問題は何年も前から言われてたにもかかわらず、何も改善できないまま借金だけが増え続けるありさまだったから、ここで徹底的に治療すべきだろう。
そこでたまたまこの記事を読んだ。
JAL再生、猶予は残り3年
本文はJAL再生後の出口戦略をどうするか、ということだが僕が気になったのは本文ではない。海外に長く住んでると日本の「変な」部分が沢山見えてくる。僕が「変」と思ったのは本文ではなくて一般の人が投稿するコメントの部分。
まずは;
日本航空で日の丸をショって世界に羽ばたいていた日航を日本国民としての忠誠心から株を買って・・・
おそらく僕よりかなり年配の方のご意見だろう。義理人情ですべてうまく行ってた時代はよかった。でも普通ワールド・スタンダード的に考えると忠誠心で株を買わない。資産運用として考えたら、何年も前から経営がヤバそうな会社に忠誠を誓って株を買うのはまずい。忠誠を誓ったなら「株が紙切れになってもやむなし!」と言えば潔いが、この人はJALの法的整理を決めた鳩山政権にうんざりだ、と言っている。
きちんと雇用を確保すべきです。JAL一社でさらに失業者を1万5600人も出すなんてとんでもないです。
高度成長時代の日本はよかったと思う。何も考えずに職に就いて会社に行って与えられた仕事をしてれば皆が豊かになれた。 でもその時代は終わった。借金が8000億円もある会社が大規模なリストラを敢行しないでどうするというのだろうか?さらに借金が増えてしまう。
問題はリストラする事ではなくて、日本では「リストラ後の再就職がやたら難しい」ということだろう。 日本以外では転職はあたりまえで、1つの会社で引退まで、というのはめずらしい。だから景気が悪くなるとリストラになる人も多いが転職するのも条件が良い。日本ももっと労働の流動化をすべきと思う。
日本では新卒で就職しなかったらとたんに条件が悪くなり、それが一生ついてまわる。セカンド・チャンスというのが無いに等しい。
難題山積の時期に実務能力のない民主党政権。一度やらせてみたらいいという試用期間としては最悪の時期です。しかしまあ、ある意味日本国民にはふさわしいレベルの政権なのかもしれませんね。
自民党が長い間何もしないから問題山積なんだろう。自民党政権が続いていたらJALの改革も中途半端になっていたんだろう、と思うと恐ろしい。民主党には自民党政権の長年の垢を徹底的に洗い流してほしいと思うし、それが本来の2大政党制の姿だろう。(日本は2大政党制じゃないですが・・・)