名前は「ちゃいこ」(雌、現在10歳とちょっと)。茶色いのと当時よく聴いていたチャイコフスキーからいただいた。
とにかくちゃいこはガキのころからおてんばだった。部屋の中をめちゃくちゃにするわコンピューターにかじりついて壊すわで、とにかく暴れん坊で手が付けられなかった。
そんなちゃいこも猫年齢ではおばあちゃん世代となり、今ではすっかり我が家にかかせない家族の一員となっている。(年取ったいまでも全力疾走したりしている。)
その後ニューヨーク→ドバイときた引越も無事乗り越え、いままで病気らしい病気をしたことがなかったのだが、今回乳腺に悪性腫瘍(いわゆる乳がん)が見つかった。
いままで知らなかったのだが去勢手術をしていないと乳がんになる可能性が高いらしい。ちゃいこも去勢していなかった。完全室内飼いだし、とにかく元気がよかったので去勢したら性格が変わってしまうのでは?と心配したからだ。(昔読んだ中国の宦官に関する悪い印象もあった)
こんなことならはやく去勢手術を受けさせてあげればよかった。
今回のこの件で随分猫の乳がんについてリサーチした。ほかにも同じ状況で大変な飼い主さんもいると思うので参考までに今までの経過を簡単に説明すると;
まず、片側の乳腺に2カ所ほどたるみがでて水ぶくれのような状態になったので動物病院(VET)へ連れて行く。ちなみにこの病院はイギリス系でいつもお世話になっている。
診察の結果、事情はよくわからないがホルモン等に関係してるのではないかということで、このふくらみの中の液体を注射器で取り出して病気ではないかをチェックする手術をすべきということに。同時に今後のことを考え去勢手術も勧められた。
そして手術当日。例のふくらみは問題無しだったがそれとは別サイドの乳腺に小さい腫瘍らしきものが2カ所出来てるので、切除して生体検査に出したらどうかと手術中に電話があった。
ところで猫の乳がんについて、インターネットで日英語両方のウェブサイトをリサーチしたが、欧米のVETはとにかくやることが早い。今回の術中の電話でもすでに腫瘍の除去手術は済んでるらしく、生体検査のラボがドバイに無くUKに送るので費用が余分にかかるがいいか、という内容だった。
猫の場合腫瘍は90%の確立で悪性らしいが、詳しくはこの生体組織検査に出さないとわからないらしい。万が一悪性度の高いがんの場合は転移も早く、乳腺を全部摘出する大掛かりな手術が必要になるのだ。
その後、去勢手術と腫瘍摘出の抜糸の時に検査結果が届く。結果は悪性。ただし進行の遅い悪性と思われる、とのことで腫瘍摘出も十分なマージンがとられているのでは、とのこと。
ただし実際生体検査でも完全な答えというのはないらしい。再発防止を考えると腫瘍のみの摘出でなく乳腺全摘出がベストらしい。
とりあえず経過を見つつ考えることにした。
・・・・つもりだったがその2、3日後。
腫瘍摘出した乳腺とは反対側の乳腺(もともとふくらみができた側)でなにかころころしたものを発見。さっそくVETに連れて行くと、腫瘍のようなこりこり感は無いが生体検査に出した方がよかろうということだった。とにかく獣医にとってもこれを判断するのは難しいことらしい。
とにかくここまできたら徹底的に今できる治療をする覚悟を決めていたのでその場でじっくり獣医師と話し合った。そして前回すでに悪性腫瘍が出た側の乳腺をすべて摘出し、同時に今回の小さなこりこりを取り除いて生体検査に出すことにした。手術は早い方がいい、ということで早速次の日に決定。
年齢から3週間以内に2回も手術するのは不安だったが、無事に済んだ。心底ほっとした。
VETに迎えに行くと、手術をした獣医師さんはすでに退出済みで、他の獣医師さんからちゃいこが威嚇して点滴器具を外させてくれないので手伝ってほしいと‥‥
見に行くと「超お怒り顔」のちゃいこが「シャー!」っと獣医さんを威嚇していて随分元気そうだ。僕と妻を見て落ち着いた所で点滴針を抜いたが、獣医さんがばんそうこうをしようとするとそうとう嫌らしく、腕をぶんぶんふって大暴れ。
どうやらちゃいこが暴れん坊なのは去勢してなかったからではなく、元々の性格らしい‥‥
ところで乳腺全摘出の手術痕は25センチくらいで非常に痛々しい。日本では包帯のようなものを着せてキズを見えないようにするところが多いみたいだけど、ここではエリザベスカラーのみ。キズが痛々しくてとても写真など撮れません。ちなみにこんな大きな手術でも経過が良いということで当日退院した。この辺も欧米と日本のやり方の違いなんですかね。
家に帰ったあとは凄い勢いで飯を食って、歩きにくそうだが痛そうなそぶりもない。カラーが邪魔でぺろぺろできないのが不満そうだ。前回の去勢手術が絡んだときの方がつらそうだった。大好物の鰹節も匂いをかいで顔をそむけてしまったくらいだ。
乳腺摘出だと内蔵をいじるわけではないから、見た目ほどつらくないということか。
僕の場合は早め早めに手術をすることにしましたが、何が良いかは飼い主さんによって判断は様々かもしれませんね。難しい所です。とにかく今回の検査結果が悪性でないことを祈ってます。
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