この記事は2018年1月にVAT(付加価値税)が実際に運用される前に書かれたコラムです。一部当時の予想を含んでおり、実際とは違っている点もあります。「税金ゼロの国」という宣伝文句は使えなくなってしまった。
運用後の詳しい情報は以下のリンクを御覧下さい。
VAT(付加価値税)に関する情報|ワイズ・コンサルタンシー
数日前に「ついにUAEでも法人税の導入か」というコラムを書いたばかりだったのだが、早速2018年1月からのVAT(付加価値税=消費税)導入決定がUAE財務相より発表された。
理由は先のコラムでも書いた通り、オイル価格下落の長期化が予想される中、中東GCC諸国ではオイル以外の財源確保、すなわち財政収入の多角化を狙っているためだ。
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詳しい内容はまだ決まっていないものの、現在わかっている範囲では利率は5%。その他、
- 100品目の食品
- 医療
- 教育
- 自転車
自転車???
と不思議に思うかもしれない。勝手な予想だが「健康促進に良い」ということで推奨されているからなのだろう。
ただしドバイの街中は全くもって自転車フレンドリーではない。
暑い上に車の運転は荒いので、街で自転車に乗るには命を捨てる覚悟をしなければならない。
まあそれは置いといて、このVATだが、リテール業者から徴収するのは想像できるが、日系企業も多く在籍するフリーゾーン内の会社の売り上げに対してどのように適用されるのかはまだよくわからない。
UAEのフリーゾーン(経済特区)に関して言えば、ドバイ首長国内では会計監査の義務化が2、3年前に始まったばかりだが、他の首長国では実質的に会計監査をしなくてもよいフリーゾーンも未だにある。
このような状態で、2年後からどのようなシステムで5%を徴収するつもりなのかがわからないのだ。
特にフリーゾーンの会社のインカムはUAEの企業や個人からではなく、主に外国からの支払いによって成り立っている。
よってフリーゾーン会社の売り上げには適用されない、という事も十分にあり得る。
今後、このあたりは注視していき、具体的な内容が分かり次第、このブログ内や、弊社のツイッター、Facebookアカウントなどで随時お知らせしていくつもりです。
UAEではそもそも税金というシステム自体が無かったため、よって会計監査などは行う必要が全くなく、会計士や税理士など雇う必要が無い、というそのシンプルさも非常に魅力であったわけだが。
今後2年間の間に、会計監査を含め様々なレギュレーションの変更が予想されます。
1つ安心した点は、法人税、および所得税は今の所考えていない、とコメントがあった事か。
「法人税・所得税ゼロの国」という宣伝文句はまだまだ使えそうだ。
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