ドバイ・中東進出を考える人のためのイスラム教入門②

このコラムは前回のドバイ・中東進出を考える人のためのイスラム教入門①からの続きです。

女性の服装


中東でも特にGCC諸国(アラビア半島諸国)の女性達は、「アバヤ」という真っ黒なマントのような服装で全身を覆っていることがよく知られていると思う。

コーランの(24章:Surah An-Nur 30 & 31)によると、

Tell the believing men to reduce (some) of their vision and guard their private parts. That is purer for them. indeed, Allah is Acquainted with what you do.
(出典:Al-Quran-Al-Karim by Zaheen Fatima Baig)

と「女性に対してエロい視線をあまり向けないように、神は見ているから」と男性信者に説き、次のヴァースにて

And tell the believing women to reduce (some) of their vision and guard their private parts and not display their adornment except that which (ordinarily) appears thereof and to draw their head covers over their chests and not display their adornment (i.e. beauty) except to their husbands, their fathers….
(出典:Al-Quran-Al-Karim by Zaheen Fatima Baig)

と、「女性は身内以外の前では体の美しい部分を見せないようベールで覆うように(男が女に)言いなさい」としている。

これがイスラムの女性が暑い中でも外では体を覆う理由の原点だ。

中東は(おそらくヒスパニックと同じで)人種の分岐点である場所に位置しているので、エキゾチックな美人が多い。隠してしまうとは非常にもったいない・・・

だが南アジアと、中東&北アフリカ(MENAと総称する)の男達は基本的にエロい。「実物の女性よりもヴァーチャルの女性が好き」などとBBCドキュメンタリーで放映されてしまった日本人男性とはえらい違いだ。

UAE男性は比較的大人でジェントルマンであるが、周辺の発展途上イスラム教国から来る労働者の男たちははっきり言ってヤバイ人間もいるから気をつけた方が良い。

これらの国では、

結婚してない女性が家族ではない男性と2人でいる=不謹慎な女=レイプして構わない=その結果死んでも構わない(と、アッラーは考えている)

というとんでもない思考の男も結構多い。
生まれ育った環境によっては、その思考が普通という地域も結構あるのだ。

特にドバイではこれらの男に日本人女性がナンパされるケースも多いが、その場合はコーランの24章30節を読んであげましょう。”Indeed, Allah is Acquainted with what you do. 「なるほど神はあなたのやっていることを知っている」”と。
彼らは圧倒的に神に畏敬の念を抱いていますので。

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ゲイ禁止


最近ドバイモールで女装した英国人男性が逮捕される、というニュースがありました。

この英国人男性は「これは自分の普段着で、入国の際にも同じ格好をしていて何も言われなかったのに、街中で逮捕されるのはおかしい」と言っているそうだ。

ふむ。確かにおっしゃる通りです。

そう言えば10年ほど前に、生前のマイケル・ジャクソンがアバヤを着てイブン・バトゥータ・モールの女性トイレに入ったことで逮捕された、なんて事件もあったっけ。

そこでコーランでは、7: Surah Al Araf 80からホモセクシャルに対する記述がある。

And [We had sent] Lot when he said to his people, "Do you commit such immorality as no one has preceded you with from among the worlds?
Indeed, you approach men with desire, instead of women. Rather, you are a transgressing people."

(出典:quran.com)

「あなた以前に誰も行わなかった醜いことを実行するのか?」「それは欲望のために女性の代わりに男を求める。あなたは逸脱した人間だ。」

そしてその2節後には、

And We rained upon them a rain [of stones]. Then see how was the end of the criminals.
(出典:quran.com)

「そして我々は石の雨を降らせてやった。犯罪人の最後がどのようなものであったかを見るがよい。」

と悪名高き「石打ちの刑」らしき一節が出てくる。怖い・・・

この辺の節だけ読んでいると、これらがゲイの人たちを指しているのか、またはチャイルドモレスターのような類いの人を指しているのかは、私にはよく分からない。ただし少からずとも、これによってゲイを寛容しない慣習があるのも確かだ。

今となっては、性同一性障害は幸か不幸か生まれ持った特性の1つという理解であり、そういう人々の人権を守ろう、というのが世界的な大きな流れだ。

だがコーランに書いちゃってある以上、イスラム教の人たちに理解を求めることは非常に難しい。

そんなわけで、マツコデラックスや美輪明宏はそのまんまの姿でドバイを訪れることはできなさそうだ。

妻4人までOK


世界の男たちが最も羨ましいと思うこのヴァース。
実はコーランの中では単に神が「4人までなら結婚していいよ」と言っているわけではない。

And if you fear that you will not deal justly with the orphan girls, then marry those that please you of [other] women, two or three or four.
(出典:quran.com)

「孤児の女児たちに公正を守れないと恐れるなら、あなたが好ましいと思う、2人、3人、4人の妻と結婚しなさい。」

非常にわかりにくいヴァースであるが、当時は女児というのは生まれても祝福されないケースが多く、これらの女児は砂漠に捨てられるというケースも多々あったらしい。そういった状況を打開するのに妻4人OKという考えが役立ったとBBCドキュメンタリーでは解説していた。

その当時は女性の人権を守るには結婚が必要な時代だった、ということだろう。

ただし今はどうだろう。多くの国では結婚しているしていないに限らず女性の人権は確保されているし、現代において「妻4人OK」は時代遅れな感じがしますよね。
今となっては複数女性と結婚したい金持ちエロおっさんの願望を叶える口実になっているだけの様な気がします。

でも現在では、1人の相手としか結婚しないのがムスリムであっても普通です。

多くのムスリムは平和主義


以上、コーランの中から我々と違うところばかりを取り出すと、怖さが先に来てしまうかもしれませんが、現代に住む多くのムスリムは、他の宗教、民族を尊重する平和な人々です。
当然石打ちの刑や公開処刑などやりませんし、間違った解釈でジハードを叫び無差別テロを起こす事はありません。

ところで最近話題のイスラム国ですが、通常この辺では彼らのことをダーイッシュと呼びます。通常のムスリムからしても、彼らは非常に特殊な思想を持った間違った人々、という考えです。
ですのでイスラム国=イスラム教の考え方、と捉えるのは間違っています。

ですが日本語で言う「イスラム国」という名称は、どう見ても「イスラムの代表選手」という感じで非常に誤解を生みやすい名前です。どうしたものかと思います。

ところでこのコーランが編纂されたのは7世紀。日本では聖徳太子や小野妹子の時代・・・

その時代の書物がそのままの言葉で現在に引き継がれ、それが生活の基盤となり、規律が今に引き継がれていること自体凄い事だと思います。
確かにコーランのRecitation(朗唱)は非常に美しく、人々を惹きつける何かがあったからこそ長い年月引き継がれてきた、ということなのでしょう。

一方で、7世紀の常識に沿って書かれた書物の内容を、現代でも変更することはできない、という縛りもイスラム教ではない自分にとっては若干怖い気がします。過激派グループが勝手な解釈をし、さらにそれを「神が言っているから」と正当化してしまうからです。

というわけで毎晩ワインを飲みながらコーランを学ぶ私でした。神への冒涜ですかね?


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