(2013年9月に書いた「バブルの目が出始めた感のあるドバイ不動産」 も合わせてどうぞ)
ドバイ不動産は、2013年初頭から2014年半ばまで急激な価格の上昇を見せた。場所にもよるが、総じて平均50〜100%のアップ率という凄まじいもので、中には底値から3倍程度の価格に上昇したケースもあった。「ドバイショック」からの完全復活だった。
その後2014年後半以降、売買トランゼクション自体は未だに多いものの、価格上昇はやや落ち着いた感がある。
ドバイ政府による、新しいモーゲージルールや不動産登録料のアップなどもバブル鎮静に一役買ったようで、前回のバブル時(2006〜2008年)に比べ成熟した市場になりつつあると感じさせる。
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ドバイ不動産2015年展望
そこで2015年の展望。
オイル価格の下落に伴い、地域のインベスター・センチメントが弱気になることが予想でき、同程度の不動産価格を維持するか、または若干の価格の下落、というのが大方の予想のようだ。
英国の大手プロパティ・リサーチ会社によれば、高級一戸建て(Villa)タイプの不動産は10%程度の価格下落、との予想だが、不動産なのに株の様にボラティリティの高いドバイ不動産だから、10%どころかもっと下落するかもしれない。
ドバイのように常に人口が爆発的に増えている市場の場合、不動産価格はいずれ上がることが想定されるので、下がったら買い時。
そこで現時点でドバイ不動産に投資するのであれば、当然ながらキャピタルゲインを狙わずインカムゲイン(家賃収入)狙いの投資をお勧めするし、それは2013年9月の時点でも書いた。
今後少なくとも5年〜10年程度不動産を保有し、着実に家賃収入をあげ、 将来不動産価格のサイクルが上昇した時に売る、という方法をとれば非常にリスクの少い、尚且つ確実な収入が得られる堅実な投資が可能だ。(現状、ドバイ不動産の純利回りは、物件やエリアによるが、総じて5〜9%程度。)
なんといってもドバイ不動産投資の魅力は、
- 税金が無い(売買時の手数料などを除けば、かかる費用は管理費のみ)
- 10年後には今より人口が圧倒的に増えていることは確実
- 右肩上がりの経済成長を続けている
の3点。特に税金というシステム自体が無いので、会計士を雇う必要もなければ、いろいろ考える手間も省ける。
今後しばらくは2020年のExpoに向けて数々の大型プロジェクトも予定されているため、世界でもよりエキサイティングな市場の1つであることは間違いない。
"Location, Location, Location"
ドバイ不動産に限らないが、何と言ってもロケーションは重要。ドバイショック、その後のV字回復を見てもロケーションの良い場所では、価格下降時には比較的価格を維持し、上昇時には他のエリアをアウトパフォームすることは実証済み。
ただし一部の有名な物件では、キャピタルゲイン狙いの投資が過熱しすぎている不動産もある。例えばBurj Khalifa(ブルジュ・ハリファ/バージュ・カリファ)タワー 。
不動産物件の純利回りは、たったの2%。これでは計算上50年経たないと元が取れない。
ロケーションと利回りのバランスを見て選ぶのが良いでしょう。
下落し続けるオイル価格
UAEやサウジアラビアを中心とするGCC諸国では、公にされていないものの、オイルで利益が出るラインは1バレルあたり10〜20ドル程度と言われている。
ただしオイル収入に依存しているGCC諸国では、国家予算は想定するオイル価格によって決められていて、現在の国家予算は1バレルあたり70〜100ドル程度を想定している、との予想がある。
よって今日の時点で50ドル程度のクルードオイル価格が今後も長期に渡って続く場合、政府が予定している大型プロジェクトにも影響が出てくる可能性が絶対無いとは言えない。
現在、ドバイ首長国にて予定されている大型プロジェクトとしては、ドバイクリークの拡張工事(AED2ビリオン)とAl Maktoum International Airport (DWC=Dubai World Central)の拡張(AED32ビリオン)の2つがある。特にDWC近辺の開発は遅れが出る事もあり得るのではないかと。
DWC近辺は2020エクスポの会場であるため、これを口実に同エリアの不動産物件をしきりに勧める斡旋業者がいるが、今の所砂漠/空き地以外の何も無く、ドバイの中心地からも遠いからロケーション的には良い場所とは言えない。
価格が圧倒的に安いなら別だが、すでに確立したエリアでの投資をお勧めします。
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