UAEでブラックベリーのサービスを制限

正式には10月11日から。
UAEの決定に引き続き、サウジアラビアも同じくブラックベリーの禁止を発表しさっそく今月からメッセージ機能を禁止するそうだ。

もしかすると日本の皆様にはこのブラックベリーはあまりなじみの無い商品かもしれないが、その強力なメッセージング機能によって北米を中心にビジネスマンにとっては欠かせないアイテムだ。カナダのRIM (Research In Motion)社が製造販売している。

ところで今回問題となっているのがそのメッセージ・メール・ウェブブラウジング機能。アップルのiPhoneを始めスマートフォンと呼ばれる同類商品は多数あるが、このブラックベリーだけは管理サーバーが国外にあり、UAEの関係オーソリティがモニターできないため国家の安全を脅かす可能性がある。というのが禁止の理由だ。

要するに、ブラックベリー以外のディバイスで送信したメッセージの内容はUAEのオーソリティに筒抜けだからいいけど、ブラックベリーは内容をチェックできないからダメ、ということですか。

個人のプライバシーは?というのは誰もが思う疑問だが、独裁国家のこの国では一方的にルールは決まってしまう。UAEはオイルマネーで潤っているから政権としては安定してるけど、もし政敵や反乱分子が多数いたら、特定人物のメールやメッセージのチェックや解析など国を挙げて当たり前のようにやるんだろう。国家保障という名の下に悪用できてしまうのが怖いところだ。
いっぽうで2008年に起ったムンバイでの爆弾テロ事件では犯人グループがブラックベリーを使って連絡を取り合っていた事がわかっており、「国家を脅かす」というのもいい得てはいる。インドでもこのUAEの決定に追従する動きがあるようだ。

ブラックベリーは元々このメッセージ機能のセキュリティに定評があったわけだが、今回はこの「強固なセキュリティ」が逆にRIM社に逆風になってしまった。UAEではビジネスマンを中心に約10%がブラックベリーの使用者らしいが、さっそく販売店では新規にブラックベリーに加入させないようにというお達しが回っているようだ。まあ、こんな話があったら客も「ブラックベリー下さい。」とは言いませんよね。
UAE市場だけならともかくサウジやインドも禁止、と言う事になってくるとRIMにとっても痛手だろう。 ちなみに私はiPhone使用者だ。ブラックベリーにしようか悩んだがiPhoneにしといて良かった。(セキュリティが弱くて、当局に筒抜けで良かった。と思えるかどうかは別にして・・・・)


ところでこのブラックベリーに関しては、2009年にUAE最大のモバイル事業者エティサラットに関連したヘナチョコな事件が起きている。当時「通信機能をアップさせるためのパッチ」としてエティサラットから配布されたアップデート用パッチは、実はディバイスから内要をエティサラットへ勝手に送信する為のスパイウェアだったらしい。結局このパッチ作戦は個体に不具合を引き起こしただけで思惑どうりにいかなかったらしいが、こういう事があると「国家の陰謀」という陰がちらついて気味が悪い。日本に住んでいたらあまり気にしない部分ですから。

バブル期は「世界一の都市を目指す」と公言していたドバイだけど、時々先進国の人には「?」な出来事があり、突っ込みどころ満載なところが、まだまだ世界一を目指すにはほど遠いなあ、と実感させられます。
イスラム教の古い価値観と現代の西側先進国の自由な表現との折り合いがなかなか付かないんですよね。ここがこれからドバイが真の国際都市になっていく為に乗り越えなければならない壁だろうか。
それでも隣りのアブダビやシャルジャに比べたらかなりオープンなんですけどね。ドバイは。

と、あまり批判的に書くとこのブログも当局にブロックされてしまったりして。(実際にドバイに批判的な英語のブログはブロックされてるのがあります。)

ところで良い商売を考えました!
これから中古市場へ大量に安価で出回るブラックベリーを買い占めて、北米で売る。 どうですかね。

巷では、RIM社がサーバーをUAE内に置くなど歩み寄る、と言うのが大方の見方のようですが。(だから10月11日まで猶予があるんでしょうけどね。)



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