経過を軽く説明します。もともと「ドバイの不動産を買ったらビザがついてくる」というのは不動産ブームをささえた1つの要因で、実際に完成物件の購入者にはビザが与えられてきました。その後2008年前半はドバイ不動産バブルの絶頂期でしたが、このころからUAE各首長国は不動産を購入した外国人にオートマティックにビザを与えるのは中止する方向に動いていきました。
アジュマン首長国は中止、ドバイでは延期(一部のディベロッパーを通してはOK)するなど、販売当初はビザがもらえると謳って売っていた不動産が出来上がってみたらビザがもらえないなど投資家の間で混乱を生じさせました。でもUAEとしてはビザを与えない方向で結構強気だったわけです。ドバイ不動産ブームは永遠に続くと関係者は信じてましたから。
そんな時期に世界的不景気の波が押し寄せ、ドバイの不動産バブルも一気に弾けたわけですが、このビザ問題がどれほど投資家心理に影響したのかは別にして、UAE政府もビザを与えることで不動産市場を活性化させようと方向転換し、今回の発表となったわけです。
政府筋に近い新聞では大歓迎ムード。どれだけ効果があるかは?。
ところでアメリカではどん底だったホームセールスが上昇傾向を見せて株価が大幅アップしましたけど、ドバイ不動産も底値をついてきているような兆しはあります。私のところにもそろそろドバイ不動産に投資しようか、という問い合わせが多くなってきました。やはり本格的に立ち直るにはビザうんぬんよりも投資家が戻ってくることが重要と思いますが、今回のビザ概要は次のようなものです。
UAEの不動産購入者には物件が完成した後、6ヶ月のビザ(更新化)が与えられます。ただし次のような条件があります。
・ 不動産オーナーとして登録されていること。(ドバイであればRERAへ登録します。)
・ 1ミリオン・ディルハム(日本円約2700万円)以上の物件であること。(なのでインターナショナル・シティ、ディスカバリー・ガーデンズ等の物件にはビザは出ません。)
・ 最低1万ディルハムのサラリー証明。どこの国でもOK。
・ このビザではUAEで働けません。