フリーホールド・ヴィザに関して連邦政府レベルで見直し

このニュースはガルフニュースより。
UAE plans unified freehold visa

首長国間でこのフリーホールド・ヴィザを出す、出さないの違いがあるため、これについて話し合うという記事だ。そもそもUAEで外国人が居住ビザを取得するためには大まかにわけて次の3通りがある。

1) UAEのフリーゾーンまたはオンショア(フリーゾーン外)に自身のビジネスを立ち上げ、投資家としてヴィザ取得。
2) UAE(フリーゾーン含)の個人または法人のもとで雇用され、雇用主がスポンサーとなってヴィザ取得。
3) 外国人へ不動産売買が解放されているエリア(フリー・ホールド-Free Hold-)のプロパティを買い、ディベロッパーがスポンサーとなってヴィザ取得。

記事で取り上げられてるのは3)の方法でのヴィザ取得に関して。フリーホールドを他の首長国に先駆けて解放したドバイではナヒール、エマールといった大手ディベロッパーが率先してこのフリーホールド・ビザを発行してきた。2007年ごろまでは「UAEで不動産を買ったらビザがもらえる」というのは普通に説明されていた話だったが、昨年(2008年)から事情はわからないが状況が変わってきた。「ビザを出す」というディベロッパーと「出さない」という政府との間で混乱が生じ、ビザ取得を考慮して不動産を買った人が実際にはビザを取れないという事態が発生した。UAEではこういう混乱が普通に起こるからおそろしい。


2008年夏ごろEmirates Businessがまとめた記事では、たとえばラス・アル・ハイマ(Ras Al Khaimah)やアジュマン(Ajman)ではフリーホールド・ヴィザを発行するがドバイでは発行しない、ということだった。しかしながら・・・・
たまたま同時期に私のクライアントがこのビザ取得を考慮していたためナヒール職員と話をしたが彼らは普通に取れると言っていた。そのプロパティはドバイ内のプロジェクトだ。
その後アジュマンでは政府はビザの発行を中断しているが、ディベロッパーは発行すると謳って不動産販売するなど混乱はおさまらない。

この混乱が始まったタイミングも悪かった。ちょうど不動産価格がピークを迎えたところだったからだ。ビザが取れないことでどれだけの人が購入を控えたのか定かではないが、冬のヴァケーションハウスやリタイヤ後の居住地としてドバイの物件を買う人も多いから、世界金融危機と相まってそれなりに影響もあっただろう。

おそらくそんな事情から、冷えきった不動産市場に投資家を呼び寄せるべく連邦間での話し合いがもたれるのであろう。ところでこの国はこういった混乱がとにかく多い。人によって、役所によって「言うことが違う」というのが多々あるのだ。世界一を目指すならこういうソフト面でも世界一をめざしてほしいものです。

–>