2008年にドバイ(UAE)にて日系企業/投資家をビジネス支援するコンサルタント会社"Y's Consultancy"をたちあげた筆者。日本生まれ日本育ちだが海外居住はかなり長い。なので漢字が苦手。楽器オタク。

This blog is written in Japanese. But I sometimes write in English when I feel like it.

2016/03/04

The Wealth Report 2016(富裕層レポート)を読み解く

皆さん、お金持ちになりたいですか?

お金持ちと言っても1億くらい持ってます、というレベルでは無くウルトラリッチの話。
一般的にUS 30 Millionドル以上(日本円でおよそ36億円以上)の資産を持つ金持ちの事をUHNWIs = Ultra High Net Worth Individuals(直訳すると超高い自己資本を持つ個人=超富裕層)と呼びます。

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富裕層リポート 2016

英国の不動産コンサルタント会社Night Frankが最近発行した”The Wealth Report 2016”(超富裕層をリサーチ対象にしたレポート)によると「ウルトラリッチ富裕層にとって重要な都市」として私が住んでいるドバイが5番目にランクされた。(この都市に関するレポートについては後述します。)

私個人的には・・・

富裕、金持ち、リッチ、などの響きに特別な関心はない。今まで生きてきた人生の価値観が違うからだ。
日本人の多くの庶民がそう考えているかもしれない。家族が健康でやりがいのある人生を送ればそれでいい、と。

でも金持ちになれるんだったら皆なるよね?

世の中では富裕層をターゲットにしたビジネスが花盛りだ。アベノミクスだって最も恩恵を受けているのは(大企業を含む)ウルトラリッチとその周りのビジネスだ。
世界の大きな流れでは、(おそらく)ロナルド・レーガンのレーガノミクス以来、富裕層への減税と規制緩和/市場経済の拡大によって実に多くの富裕層を世界中に生み出している。

だが金持ちがより金持ちになる一方、貧困層も増え、格差社会が深刻な問題となっている国も多い。

しかし今回は格差社会問題はさておき、超富裕層のみについて、世の中の超富裕層の動向を調査したThe Wealth Report 2016を読み解くことによって、今後の超富裕層の動きを見たいと思う。

過去10年、世界的な資産の流れ

レポートの中から、2005年から2015年までの10年間で、最も資産が入ってきた国と出て行った国々のデータの中から、面白そうなものをあげてみたい。
ここでの「対内投資」とは外国籍者がその国のローカル資産を保持している額、対外投資はその国の居住者が海外に保持している資産の額のことで、データは10年間の額の変化(資産流入/流出額の増加率)をパーセンテージで表したものだ。

中国
対内投資:500%
対外投資:1,471%

10年間で海外からの投資額は500%増加している。そして海外への投資はその3倍の1471%。中国政府が対外投資を推奨しているためか、共産主義体制を信用しない富裕層が資金を流出させているのか。
オフィシャルなデータに出ていない対外投資も相当数あるのではないだろうか。


英国(UK)
対内投資:71%
対外投資:19%

様々な法整備(主に税法の改正)によって、金持ちを呼び込む政策を取ってきた英国。イングランドのプレミアリーグ(サッカー)なんか見れば、有力チームのオーナーは多くが外国人富裕層で、海外から多くの資金が流入していることが非常にわかりやすい。


韓国
対内投資:72%
対外投資:600%

対内投資に比べ、圧倒的に海外への資産流出が増えた韓国はかなりイタイ。


タイ
対内投資:240%
対外投資:1,054%

日本からはリタイア後の移住先として人気の高いタイだが、過去10年は政治的不安からか、または金利政策で新興国への投資が引き上げられたためか、資産流出(海外への投資)も10倍に増えている。

他、アメリカ、香港、シンガポールなどは対内投資と対外投資の比率はトントン。

残念ながらレポートの中では。日本については言及すらされていない。言及するほどのことはなかった、ということか。

ただし日本の現在は、過去から続くややこしい税制を抜本的に改革することなく、消費税はアップ、マイナンバー制度の導入、ということで富裕層の資産は海外へ向いていくのではないだろうか。

富裕層にとって重要な都市

 「居住」「投資」「子供の教育」「ビジネスの成長」「ネットワーク」「レジャー」という観点から、超富裕層にとって重要とされる都市の2016年ランキングは以下です。
簡単に言えば、超富裕層が住む場所として選択している都市が以下です。

  1. ロンドン
  2. ニューヨーク
  3. シンガポール
  4. 香港
  5. ドバイ
  6. 上海
  7. パリ
  8. シドニー
  9. 北京
  10. ジェノヴァ

ここでも東京が入ってないのは寂しい限りですが、ドバイが上位にあることは私のビジネスにとっても重要です。

日本ではまだあまり馴染みが無いようですが、対外投資に対しドバイは税制面で非常に有利で、資産運用に最適な場所です。中東とは言ってもUAEは政治的に安定しており安全で、特にドバイでは先進国のシステムを導入しているため、日本人にとっても投資しやすい場所です。

 話変わって、ここでロンドンがニューヨークより上にランクされた理由の1つとして、2時間のフライトでアクセスできる圏内にどれだけUHNWI(超富裕層)が居住しているかを挙げています。現在、ニューヨーク:5600人、ロンドン:4800人のUHNWI(超富裕層)居住者がそれぞれいますが、2時間フライト圏内だと、ニューヨークの8300人に対し、ヨーロッパ各都市が近いロンドンは16000人にも上ります。

ロンドン・アイからの眺め

レポートでは今後10年の見通しとして「中国本土の都市の重要性が高まっていくであろう」としています。日本でも中国のUHNW(超富裕層)とその資金を呼び込む政策ができれば、ウルトラリッチに対する東京の価値も上がるかもしれません。(土地やマンションの価格も相当上がるでしょうが)

居住用不動産ホットスポット

レポートを通して、日本は非常に存在が薄い。(というか、全く記述がない)

ただし唯一「居住用不動産ホットスポット=今後、居住用不動産価格の上がりそうなエリア」として、ニューヨークのロウアー・イーストサイド、ロンドンのピムリコと共にあげられているのが、東京都千代田区。
2020年の東京オリンピック開催によるインフラ整備と海外からの投資に恩恵を受ける、とされている。他に中央区、港区も同様に注目とのこと。

東京でこれから家を買うなら千代田区、中央区、港区ですね。

富裕層が増えている国

最後に過去10年で最もUHNWI(超富裕層)の比率が増えた国、また2025年までの今後10年で比率が増えるであろうと予想されているトップ6をあげます。

2005年-2015年
  1. モンゴル:475%
  2. アゼルバイジャン:444%
  3. ベトナム:354%
  4. インドネシア:349%
  5. インド:340%
  6. 中国:330%

2015年-2025年(予想)
  1. スリランカ:140%
  2. ベトナム:140%(同率1位)
  3. メキシコ:131%
  4. モザンビーク:129%
  5. カンボジア:125%
  6. モンゴル:122%

一攫千金を夢見るならこれらの国に行くべきでしょう。ベトナムは日本人にとってはビジネスをやりやすい場所ではないでしょうか。富裕層向けビジネスにはチャンスがありそうです。



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