2008年にドバイ(UAE)にて日系企業/投資家をビジネス支援するコンサルタント会社"Y's Consultancy"をたちあげた筆者。日本生まれ日本育ちだが海外居住はかなり長い。なので漢字が苦手。楽器オタク。

This blog is written in Japanese. But I sometimes write in English when I feel like it.

2013/06/19

映画"American Psycho"を見てバブル時代とその後を思う

「アメリカン・サイコ」という映画を見た。

これは2000年のアメリカ映画で、時代背景は80年代後半、インベストメント・バンカー(投資銀行員)である主人公が、一方では異常なシリアル・キラー(連続殺人犯)でもある、という話だ。
クリスチャン・ベール演じる主人公の異常さが中々楽しい。

映画には80’sエッセンスが多数鏤められている。例えば当時のマテリアリズム(物質主義。精神的な事より、お金や高級な物を買う事が大好き)を題材にしている点など。

 映画の中では、金持ちバンカーである主人公と同僚や友人が、いつも満席で予約が非常に難しいレストランの予約ができた/できないで自慢しあったり、名刺の紙/インクの質を本気で競い合ったりと、非常にうわべだけのぺらぺらでバブリーな世界観が展開される。
もちろん映画の中ではわざとであって、この世界観はブラック・コメディ的に描かれている。

それを見ながら私はふと思った。

日本とアメリカ、文化は違えどジェネレーションの移り変わりとその世代の考え方は非常に似ている。というかきっと先進諸国全体そうなのであろう。

  「アメリカン・サイコ」の時代、80年代後半は日本もバブルの時代だ。私は高校生であったが連日ジュリアナ東京や何かの話題がマスコミを賑わせていて、実に「うわべだけ」「ぺらぺら」「バブリー」な世界が展開されていた(のだろう)。アメリカと一緒だ。

ちなみに私はバブル後社会に出た世代で、アメリカでは"ジェネレーションX"世代と言う。

右肩上がりの高度成長時代に一生懸命働き、家やテレビや車を買うことに勤しんで来た親世代の人生観に疑問を感じ、会社へ入って日々同じ事を繰り返して金を稼ぐ人生に対し「何かが違う」と感じた世代。

映画で言ったら"St. Elmo's Fire"なんかがこの世界観だったね。
実際、私が大学を卒業した当時、卒業後就職せずにフラフラした友人が沢山いた。

ん? 私もそのうちの1人か。

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校風もあるのかもしれないが「会社に入って毎日企業の歯車として働く」事が非常にダサい、と若者が考えた時代だ。よって当然の事ながら私の大学時代の親しい友人に大企業に勤める人はほとんどいない。卒業してすぐ就職しなければ日本の大企業への就職はアウトだからね。
たまたま妻が当時日本で流行ったキムタク主演の「ロング・バケーション」を見ていて、そんな時代を感じさせた。
仕事もせず何やってるかよくわからん竹野内豊のキャラが「クールな奴」なのだ。そうそう、その当時はなんかフリーターみたいなちょいワル自由人がクールだったよね。

今ではフリーター=負け犬的な扱いだろう。時代は変わった。

そこで最近の若者はどうか。日本では企業を辞めて社会貢献ビジネスに取り組む若者が増えているのだそうだ。
アメリカでもリーマンショック以降、ハーバード大卒のエリート達がGSやMERなど投資会社への就職は嫌がり、給料は安くても社会貢献に関連したビジネスへ行きたいという学生が増えている、という記事をどこかで読んだ。

いいじゃないですか。
そういう精神的に豊かな若者が増えるという事は。

 先進国では物欲より、より精神世界を重んじる生き方に共感する若者が増えている、ということだろう。しこたまお金を貯めて来た年配世代に対し、若者は職を見つける事すら難しい、という先進国のどこでもある世代間格差もその傾向に拍車をかけているのかもしれない。

ところでドバイではどうかと言えば、基本的に後進国出身の人が多く、"Higher Living Standards" (より豊かな生活)を謳うここでは、やはりマテリアリズム的(物質主義的)であると言わざるを得ない。よって比較的マテリアリズムを嗜好する人が出稼ぎにやって来る、と言える。
余談ではあるが、最近ドバイの景気が上向くにつれて日本人による詐欺的ビジネスも増えているから気をつけた方が良い。大概の場合、バブリーな話は詐欺だから。

話戻って、物質主義/精神主義のどちらが良いか悪いかの価値観は個人に帰属する部分ではあるが、マテリアリズムを嗜好する人が多ければ、それだけ経済が発展/回転する度合いも大きいと言える。中国を見れば一目瞭然だろう。

ヴィッツで満足する人より、無理矢理ローンを組んででもアウディを買う人が多い方が経済発展にはグッドなのだ。

そこで・・・

「第一の矢」「第二の矢」が見事に的中した後に 、「第三の矢」が的を外した感のあるアベノミクス。
やはり日本の「人口縮小」「移民受け入れなど今のところ考えられない」「人口が減る一方の若者世代はより物質主義嗜好から離れつつある」という中で、 長期的な成長戦略を探るのは非常に難しい仕事であろうと思う。

だが頑張って欲しい。私はアベノミクスと日本に期待して"日本ETF"に投資したばかりだ。
日本は大国だけど、お金を持っていて使わない中高年世代がお金を使う様になるだけでも景気の浮揚を体感する様な効果が現れるのでしょうか?

という訳で「アメリカン・サイコ」を見ながらこんな事を考えていた私でした。



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