2008年にドバイ(UAE)にて日系企業/投資家をビジネス支援するコンサルタント会社"Y's Consultancy"をたちあげた筆者。日本生まれ日本育ちだが海外居住はかなり長い。なので漢字が苦手。楽器オタク。

This blog is written in Japanese. But I sometimes write in English when I feel like it.

2010/04/28

若い!ゴールドマン・サックスのエグゼクティヴ

昨日のCNBC(テレビ局)で、SECから提訴され話題のゴールドマン・サックスの公聴会を見た。そこに登場したゴールドマン・サックス幹部の面々を見て随分日本とは違うなあ、と思われた方も多いだろう。

なんと言っても・・・・

若い。(しかもイケメン・・・)

例えばこれが同じく100年以上の歴史を持つ日本の投資銀行だったらどんな面々が集まるだろうか。
おそらく60歳前後の企業幹部の面々。チェアマンなど登場したら70歳代なんてことにもなるだろう。
ところで僕は特にそれを批判する気は無く、違うなあ、と感じただけ。物事には必ず「良い点と悪い点」が混在しますので「若ければいい」というわけではありません。(だからといって「年上なら偉い」というのも完全に間違ってますが・・・)

今回のメンバーの中でも特に注目されているのが31歳・スタンフォード大学出身のフランス人、ファブリース・トゥーレ氏で、彼は自分自身を"Fabulous(素晴らしい) Fab"と呼んでいるそうな・・・
ちなみに女性関係もそうとう「スムース」らしい。

以前、ウォールストリート発世界不況真っ直中だった時に、イギリス系新聞で「この不況の責任は誰があるのか」というコラムがあった。それはなかなか面白いコラムで、その責任は「ウォールストリートに勤めるアイビーリーグMBA出身のエリート達」だという。
なぜかと言うと、こういうアメリカの一流大学MBAの出身者というのは、

・人生で一度も失敗を味わった事が無い
・もともと自信過剰なうえに「MBA=自分に自身をつける教育」がなされるためさらに自信過剰になる。
・自分の論理はすべて正しいと思っている。
・なので危機管理ができない。

というわけで過剰な投資に走ってしまった。そうな・・・
そしてその失敗をアメリカ政府が税金で助けてあげたのだからタチが悪い。1年後にはすでにものすごい額の報酬などが復活してまた自信満々だ。

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まあ極論とはいえなかなか面白い。そこで公聴会に呼ばれたトゥーレ氏とその他のゴールドマンの面々を見てこのコラムを思い出してしまった。

ところで公聴会に集まったゴールドマン・サックス幹部の面々だが、この中にはすでにゴールドマンを離れている「元ゴールドマン」も結構いる。前述のトゥーレ氏もその一人。

この辺は職の流動化が進んでいるアメリカらしいが、これは日本も見習うべきと思う。もし日本の企業幹部だったら「その会社一筋勤続40年」のベテランだらけだと思うが、「1つの会社・1つの社風」の中に何十年もいたら人間として偏ってしまうんではないかと思うがどうなんでしょう?(まあ自分がその範疇におさまらなかったので勝手な事言ってるんですが。)

まあこの辺も「良い点と悪い点」が混在する。職の流動化が進むと「弱肉強食化」が進み、実力ある若手が会社の中心になる代わりに、活躍しないベテランのリストラもさかんになるだろう。
欧米スタイルでリストラされるのは「給料は高いが結果を出さない」人々だ。高い報酬の人をリストラするから企業の財政負担も軽減されて利益を出しやすい体質に変わる。それはアメリカ企業のここ数四半期の収益力を見れば一目瞭然、どの企業も予想を上回る好結果を残して景気回復の印象がある。

逆に日本でリストラされるのは「派遣など立場の弱い人=給料の安い人 」で財務体質改善効果は低いので立ち直りも遅い。

職の流動化が進まない日本では「給料は高いけど利益を出さない」ベテランは転職もままならないので必死で企業に残る結果「頭でっかち」な会社人員構成になってしまうし、元々就職難で職のない若手はうまく職を見つけないと一生まともな職に就けなくなってしまう。

とはいっても、ベテラン世代にとっては20年30年勤続していた会社からリストラされて、家族がいて、さらに転職もむずかしい・・・

となったら 大変ですよね。

逆に若い世代は職が安定しないから家族(子供)も持てない、という問題があるわけで。

右肩上がりの高度成長時代が終わってしまった日本では、もはや「皆が満足できる政策」というのはあり得ないのでしょう。金持ちを優遇するのか、貧困層を拾いあげるのか。若者を優遇するのか、お年寄りを優遇するのか。
日本の政治家には早くリーダーシップを発揮して頂きたいものです。

「失われた10年」が「失われた20年」となった今ではまったく期待できませんが。



2010/04/11

けっこう評判の良いイタリアン・スーツ詐欺師

「アルマーニ・スーツ詐欺」の話をする前に最近の僕とスーツにまつわる話。

 僕は洋服にはけっこうこだわる。スーツはやっぱり体にピシッと合ってないとキマらない。ずっとスーツを新調したいと思っていたがドバイではどの店に入っても合うサイズが無い。やたらデカいのだ。

一番小さいサイズを着てみてもなんかこう肩に余裕があったり、袖が長過ぎたり・・・

そこでバール・ドバイ地区にあるテーラー街でオーダー・スーツなど試してみようかなどと思っていたら、ネットで日本のスーツ事情が目に入った。最近日本ではスーツを「ネット」で、しかも「アウトレット価格」で買う。当然試着はできないが細かいサイズは記述してある。しかも質がいいらしい。
縫製は中国だが生地はイタリア、イギリス製の物を使用しているらしい。

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そこで考えてみた。

「ドバイでイタリア生地をインド人テーラーがフルオーダーメイドで制作してUS500ドル。」

OR

「イタリア生地を中国工場で 縫製して日本人の体系に合わせたスーツが日本からの送料を入れても2万円以下。」

というわけで今回はおためしも兼ねて後者に決定。スーツのスタイルはイタリアン・クラシコで。早速ネットで購入。これは昨日の話。

そして今日・・・・

Ibn Battuta Mallで知人と面会して駐車場に向かうと、車に乗った2人組から「オー・エクスキューズミー、空港ドチラですか?」とめっちゃイタリアなまりの英語で聞かれた。
なので「オー、左行ってー、右行ってー、信号左行って〜、まっすぐ35キロデース。」と教えてあげたら、「ところでアナタドコ出身デスかー?」と。

「日本からだよ」 と答えると自分はファッション・デザイナーでロッポンギとギンザに彼のオフィスがあるという。たしかによくよく見ると仕立ての良いスーツを着てシャツとネクタイの色合いもセンスよさげな感じだ。
そして日本とイタリアは飯もうまいしセンスもいいし両者似てると言う。まぁポルノ女優が国会議員なのは別にして、車やファッションなどイタリア人のセンスは抜群だから、そう言われると悪い気はしない。 
そこで他愛も無い会話をして日本ではイタリア製のブランド服は値段が高いからイタリア生地・デザインを日本のメーカーが中国工場で作って安く売ったりしてるんだよ(昨日のネタ)、という話をしたら今日のお礼(つーか左・右・左と教えただけなんだが。)にステキなプレゼントがあると言う。

じつは彼はアルマーニの人間で、アブダビでファッション展示会があったんだけど彼らにはスリムすぎてもういらないスーツがあるからあげると。しかもアナタにぴったりだからちょっと見ていかないか、と。

で、後部座席には5着ほどのスーツが無造作に置いてある。

あやしい・・・(Smells like fishy・・・)

そう思うとすべてが怪しく思えてくるから不思議だ。彼らは仕立ての良い服を着て金もってそうだがなぜか車はトヨタのカムリだ。(しかもあまりに庶民的な白色)
ただ道を教えただけなのにアルマーニのスーツを「くれる」というのも怪しい。
とりあえず怪しいうんぬんを抜きにして、いくらスリムと言ってもここドバイで僕に合うスーツなどあるはずが無い・・・・しかも僕はアルマーニのスーツはあまり好きではない・・・

そんなことを瞬時に考えながら口では、
「オファーはありがたいけどワイフが待ってるからすぐ行かなきゃ」と速攻で言っていた。別にワイフ待ってないんだけども。
NY→ドバイと怪しい人間多かったからこういう場合の対処方法が無意識のうちに体にしみついているんだな。

そしたら「オーケー、じゃいいよ」とさっさと行ってしまった。べつに後部座席のスーツ一着そのまま渡してくれてもよかったんですが・・・

さっそく帰って"Italian Dubai suit scam"でググってみるといっぱい出てきた。

やはり2人組で最初は「空港どっち」と聞かれ、お礼にアルマーニのスーツをプレゼントすると言われるらしい。やっぱ詐欺だったか。
僕が体験しなかったその後の展開はと言うと、実はイタリアの娘に携帯電話を買ってあげたいが手持ちのお金がなくなってしまい→お金をくれ。ということらしい。まぁ高級スーツ貰って羽振りが良くなったところで金をせびるという作戦か。

ところがよくよく読んでみると、けっこう貰ったスーツに満足している顧客(被害者?)が多い。

「スーツ2着にAED300(約7500円)を払ったがサイズもぴったりで仕立てもいい。」

「AED500を取られたがスーツの質がよくて損した気がしない。」

等々。

まぁ値段からして本物のアルマーニではないと思うが、これほど被害者満足度の高い詐欺師が世の中にいるのだろうか?

う〜ん、せめてスーツだけでも見せてもらうべきだったかなぁ。
騙されなかったことがちょっと残念だったりして。

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2010/04/06

マイケル・ムーアのSiCKO

いまさらながらケーブルテレビでマイケル・ムーアのシッコ(SiCKO)を見た。

まあ映画で取り上げられている例は極端に酷い例だと前置きしても、僕はアメリカに長いこと住んでいたがとにかくアメリカの医療は酷い。
医療費の余りの高額さに保険に入れず、でも急病で病院に担ぎ込まれてしまったために治療費を踏み倒した人を複数知っているし、当時妊婦の妻を持つ友人は何らかの処置をほどこす毎に保険会社に確認の電話を入れる(保険でカバーされるかどうかを確認する為に)と言っていた。

映画の中でマイケル・ムーアが病気持ちの911の患者をグアンタナモの収容所の病院に連れて行く所はご愛嬌として・・・

これを見ると本当にアメリカは「弱者に厳しい国だなあ」と思う。 昔は「アメリカン・ドリーム」などどよく言われたけど、アメリカでは貧困層になってしまったらそこから這い上がるのは難しい。例えばプロスポーツ選手になるとか、ヒップホップ・スターになるとかでアメリカンドリームを体現することはできるがそんな人は稀だ。
アメリカの有名大学の入試は日本で言う所の推薦入学のような形式なので、学力だけではなく当然家柄なんかも加味される。学費も高いからもともと金持ちでなければ4年も通えない。ハーバードやプリンストンなんかを卒業すれば当然将来も約束される。なので金持ちはどんどん金持ちになっていく仕組みが出来上がっている。かつて詰め込み教育だなんだといろいろ言われた日本の大学入試だけど、一発試験で金持層も貧困層も皆同じスタートなのはある意味民主的か?

そんな中でアメリカでも医療改革が始まったが、日本はどうだろう。
いろいろ問題はあるようだが、国民全員が何らかの保険に加入し必要な時に医療が受けられる体制になっているのは良いと思う。

日本に関して個人的に思うには、医療を含め福祉・教育に関しては北欧の「助け合い型」を目指すべきではないかと思う。当然税金は高くなるが、それが「皆中流家庭」で幸せだった日本人の気質に向いてるのではないかと思う。(長く海外に住んで日本で納税義務のない僕がいうのも大きなお世話かもしれないが。)

ところが日本は政治家がリーダーシップを発揮できないので、将来の方向性がよくわからない。今の日本はアメリカ型「弱肉強食国家」をめざすか北欧型「皆助け合い福祉国家」を目指すのか大事な岐路に立っていると思う。
基本的に「政治家」自体が国民の代表というよりは「もともとお金持ってる権力のある人達」の集まりだからあまり期待はできないのかもしれないが、まあ少なくとも民主党政権になったことで、自民党政権時代の「なんかよくわかんないけどアメリカみたいな国になりつつあるよね?感」からは脱却しつつあるのは良いかもしれない。

ところでドバイではどうかと言うと、Emirati(UAE国民)は教育も医療も電気水道代もタダ。オイルマネーがあるからね。
国内にいる大多数の 外国人の医療はどうかと言えば、UAEで提供する公共病院が使えるベーシックな保険(安い)とアメリカと同じように民間で加入する保険の二本立て。民間保険はアメリカのそれよりもかなり安い。(幸い健康で、実際にあまり使っていないので詳しいことはよくわからない。)

ちなみにドバイでは王様が国の政策をすべて決定するので、僕が居住者として国の政策についてとやかく言ったところで意味が無い。ある意味日本と違って王様一人がものすごい権力を持っているので政策実行も早いけど、急ぎ過ぎた不動産開発の失敗のようなことも起こり得る。その失敗で失脚、なんてことも無いし。
だから多くの外国人にとっては居心地が良ければここにいるけど、逆になったらさっさと他の国へ行ってしまうだろう。 でもUAEにとっては「外資」は重要だから外国人がそれなりに居心地が良い政策を提供する。その辺のバランスで国の政策が決まっていく。

まあ国が違えばそれぞれの事情も違うということですかね。僕にとってはいずれ日本に帰る事もあり得るし、その為にも日本には「暮らしやすい良い国」であってほしいと思うわけです。



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