2009年に入ってからRERAが発表した新ルール

'RERA'とはドバイの'Real Estate Regulator Authority'のこと。ドバイの不動産関連全般を司る役所のことですが、ここから2009年以降発表された新しいルール(法律)等をまとめてみました。特に現在ドバイのオフプラン物件に投資している方、これから物件を購入しようとしている方などには有用な情報と思います。

なかなか法律を変えられない日本と違って、ここドバイでは法律はしょっちゅう変わります。最近もまた、Visit Visa(日本人は空港で押されるスタンプのみでOK)で滞在できる日数が60日から30日へと変更になりました。
RERAも例外でなく、急速に発展したことでトラブルが多発したドバイの不動産市場に対応すべく、次から次へと新法を発表してきましたが、今度は世界的クレジットクランチのあおりをうけて急速に冷え込んだことで多発しているトラブルに対処すべく新たな新法を発表したわけです。なにしろ仕事の遅いドバイ・アラブ人ですが、2009年に入ってからの新ルール発表の早さたるや凄まじいものがあります。

というわけで以下がドバイ不動産に関心のある投資家にダイレクトに影響するであろうと思われる、2009年以降にRERAが発表した新ルールです。


1)キャンセル料30%ルール

投資家が一旦契約した物件をキャンセルする場合、「30%をキャンセル料として取られ、払った分の70%は返ってくる」というのは2009年前からあった法律なのですが、オフプランで物件が売買されるドバイでは解釈の仕方で「30%」の意味合いが違います。(「オフプラン物件購入」とは、図面の時点で物件価格の10%程度を支払って物件を購入し、その後の工事の進み具合によってさらに10%、10%と支払っていくプランです。)
現在ドバイでは建設中の物件が多いので投資家の多くが20%〜40%の支払を終えた段階です。いままでの解釈では、「払ってしまった分の30%がキャンセル料」というのがコンセンサスだったのですが、今回のRERAの発表により「物件価格の30%がキャンセル料」ということに正式になりました。
要するに「キャンセルできないようにした。」ということですね。契約キャンセルの件で裁判所に申し立てている投機家はかなり多いらしいので彼らにはかなりの痛手でしょう。


"Name and Shame"

簡単に言うと質の悪いディベロッパーを名指しして発表します、ということ。その「質の悪い」とは、期限までに物件を完成させなかった、完成物件のクオリティーが悪い、投資家に契約書を発行しなかった、等々。
はたして期日までに物件を完成させたプロジェクトがここドバイにあっただろうか‥‥

まあ、それはさておき。たしかに質の悪い物件は多い。私も個人的にお進めしないディベロッパーはいくつかあるのでこれを公にすることは良いことだろう。ところでドバイのことだから発表をおそれたディベロッパーが政府の役人に裏金を‥‥ なんてことがあったりして。
契約書をもらわずに「図面だけの物件」に金払う投資家なんていたんですね!?ディベロッパーも問題ですけど投資家もねぇ。それだけバブルに浮かれてたんでしょうか。


3)ディベロッパーはa)建設予定の土地を100%所有していなければならない。b)工事が始まるまで20%以上投資家から集めてはいけない。

土地すらも持っていないディベロッパーが「図に書いた物件」を売ってたんですね。おそろしや。


4)レンタルインデックス発表

レンタルインデックスについてはこちら


5)メンテナンス・チャージを管理
今まではディベッロパーが家主からメンテナンス・チャージを好きなように取っていたのですが、これからはRERAが管理するようになります。


6)工事の進み具合を'Independent Progress Monitoring Report'として月々発表。

これを機会にドバイ不動産の明瞭性が進めば良いですね。



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